『涼宮ハルヒの憂鬱』 小説とアニメの幸福な出会い

本題の前にどうでもいいこと。
涼宮ハルヒの憂鬱 オフィシャルサイトにはさまざまな仕掛けが施されていることは各方面で書かれています。俺こういうの大好き。仕掛け大好き。
アニメが終わってもやるとはなかなか気合い入っていますね。
今は某作でえがかれた夏休みの話しに対応するコンテンツが更新されています。で、そのコンテンツにも仕掛けが施されていた。ははは。文字化けテキストを反転でわざわざ入れているよ。思わずデコードしちまったじゃねーか。
比較的わかりやすいエンコードで助かった。読んで和みました。


涼宮ハルヒの憂鬱涼宮ハルヒの憤慨、現在出版されている8冊の本に収録されている長編、中編、短編の中で俺が気に入った作品ベスト3を書いておきます。

このシリーズのファン、あるいはミステリファンが何というかは知らない。俺はこのトリック、ものすごく気に入った。推理小説として好き。

理屈抜き。ハルヒがかわいい。小説によるラブコメ

とにかくこの一冊で提示されたの世界観が全てです。虚構の入れ子構造がデッドロックしているという設定は秀逸。


ファンの間では「涼宮ハルヒの消失」の評価が高いとのことですが、俺にとってのベスト3には入れませんでした。理由は書きません。書けませんといった方がいいかな?どれが好きとかいうのは結局のところ主観でしかないので。


さて、表題にもしたアニメとの関連性のお話です。
もう二度とこんなアニメは出てこないんじゃないかとアニメをめったに見ない俺が言っても説得力はないんだろうけどいいたくなりますね。
原作者が絡んでいるので当然といえば当然ですが、作品世界を完全に理解した上でそれを発展させているんですよ。そして、「小説」という表現手段では難しいことを「アニメ」という表現手段で実現している。

第一話。なんじゃこりゃと思う。でも、これを第一話に持ってくるってのは作品世界を理解していないと無理。虚構内虚構というのを視聴者が慣れ親しんだ「作中作」という手法で提示しています。そしてスタッフロール。これを第一話に持ってくることによって、作中で登場する人物や組織をスタッフとして提示しても視聴者が違和感を抱かなくなる。

高校生の男女の微妙な距離感。これは小説だけで描ききれないと思います。絵で見せられて初めて「なるほどこのときはこういう距離感なのね」と理解できる部分はある。
しかしここの評価は微妙。元々小説を読んでいた人が読みとっていた「距離感」と乖離している可能性もある。自分がイメージした距離感と提示された距離感が違った場合、たとえアニメで提示された物が作者が意図する物であっても違和感をもつことは十分あり得ます。

驚愕の一話でしょう。曲数を大幅に減らしたとは言え、実際にオリジナルの曲、それもかなり原作の雰囲気からイメージできるような曲を作ってしまったんだから。あそこで「ハレ晴レユカイ」歌われたら萎えるもん。でも安易に作っていたら絶対そうしていると思う。
さらに原作ではえがかれていなかった場面まで作っている。たぶんこういうのが「神」と言われるんだろうな。

原作者自らが脚本を書いたこの作品。幸せなアニメだよなぁ。このシリーズを象徴するような作品になっていると思います。最後のハルヒの「アッカンベー」。キョンならずとも全てを許せる気分になる。

  • ポニーテール

小説でも十分イメージできますが、映像になると破壊力が違います。ポニーテールはキョンハルヒの関係の象徴です。ハルヒ(4)A*1の髪型がもう一度ポニーテールになったときこのシリーズは終わるんじゃないかなぁ。キョンとポニーテールにしたハルヒが一緒に歩いていく後ろ姿が最後の場面なんじゃないかな。




幸せですね。ほんとに。かつてとある作品で原作者とアニメを作った人の確執が起こったってのを聞いているんで余計にそう思う。その作品、両方ともすばらしいと思っているんですけど、アニメを作った人が原作の作品世界を尊重するのではなく自分の作品世界を構築してしまったんですね。それを原作者は許さなかった。その作品で描かれた世界をその後の原作の中で全否定した。そういうことも起こりえるだけに、違う方向の優れた才能が協業するってのは見ている方としてはほんと心地いいです。


最後にしようと思ったけど今日はこれでやめて他にも書きたいことが出てきたらまた書くことにします。
今日は小難しい世界観の話しは無しにします。結局は主観。気に入るかどうかで語るべき作品なんだろうな。俺はたまたまその世界観が気に入っただけ。でもラブコメ的な部分もかなり好き。それだけのことです。


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記事カテゴリー 涼宮ハルヒシリーズ



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*1:この表現はこのシリーズの別記事で使っている表現です