京極夏彦氏「王様のブランチ」でインタビュー

いやぁ。見ててよかったよ。俺は「京極堂シリーズ」と呼んでいたけれど「百鬼夜行シリーズ」ってのが正式なのね。そういえばそんな言葉をどっかで見たような気がします。
妖怪は心の中に住む物か。だから人によって怖い物が違う。私は『魍魎の匣』がいちばん怖いと思った。それは得体の知れない物に引きつけられる心があるから、よこしまな好奇心があるからに他ならないんだな。
インタビューの最後の言葉は作家らしい言葉でした。著作の中から著者の考えを導き出そうとか、物語が持っている社会的な意義を導き出そうとか考えても無駄なんですよ。そんなことは売る人が考えればいい話。読者が読み終わったあとに何か残ればいいという言葉は私が言っている「読後感」に通じるところがあるように思えました。爽快さが残る作品もあればやりきれなさが残る作品もある、中には得体の知れない不快感が残る作品もある、それでも読者に何かが残る作品ってのはやはりすばらしい作品なんでしょうね。
私は真剣に本を読む読者ではありませんが、それでも京極夏彦氏の小説は読後感がすばらしいと感じています。たまたまそうなっているのではなく、そう感じるように作られた作品なんだなぁ、やっぱり。


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カテゴリ 読書感想文