短期集中連載 ぼくの大好きな首都高速道路(3) 時間をお金で買う

ぼくは首都高はもう少し料金が高くなってもいいと思っている。
首都高速の料金値上げが取りざたされている。頻繁に使う物流業からの激しい抵抗にあっている。反対するのは当然だ。コストが増えるのに荷主から受け取れる運賃が変わらないんだったら当然だ。
しかし、今の首都高の料金が合理的かというと、ぼくはそうは思わない。例えば東名高速道路を東京に向かって用賀の料金所を過ぎる。池尻あたりまで順調に来たけれど都心環状線が混んでいた場合どうするか?今のぼくは渋谷では降りない。がまんして環状線を抜けて四つ木やら京葉市川やら千鳥町まで行く。なぜか?渋谷で降りても千鳥町で降りても料金が一緒だからだ。せっかく払ったのにもったいない。
もしこの場合、今言われているように距離制になったらどうなるか?当然渋谷で降りる。ぼくの場合は山手線の内側に入ってしまえばほとんどの場合快適に走れるルートを知っているから。気が向けば神田橋インターあたりで乗り直すことだってあるかもしれない。
もし環状線が空いていれば当然そのまま首都高を乗り通す。理由は簡単だ。20分くらい時間を短縮できるからだ。つまり、お金で時間を買えるんだ。今の首都高はルートと時間帯によってはそういう使い方ができない。この状態が健全とは思えないんだ。


ぼくの住んでいる松戸市から東京に出るには橋を渡る必要がある。その橋は混んでいることが多い。特に春、秋の彼岸の頃は悲惨だ。まだ道路が整備されていない頃、普段なら15分で行ける金町まで1時間半以上かかったこともあった。
そんなとき、たった1本だけ絶対に空いている道がある。松戸三郷道路という道だ。有料。しかも橋だけなのに250円も取られる。でも、その道は非常に役になっている。本当に急いでいる時、どうしても素早く江戸川を渡りたい時、その道にさえたどり着ければとりあえず向こう岸にいけるから。


有料道路にはそういう役割もある。高い値段をつけることによって交通量を減らし本当に急いでいる人にサービスを提供しているんだ。


ぼくも自分の車にETCをつけてから、あまり料金を気にせず首都高速道路に乗ってしまうようになった。でも、今でも時々思うことがある。


こんなことなら乗るんじゃなかった…。


ぼくは首都高はもう少し料金が高くなってもいいと思っている。


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