初音ミクに見るバーチャルアイドルの劣化耐性

例年に比べると暖かい気候(最高気温が0℃以上!)の札幌で初音ミクがやらかしたのは記憶に新しいところだけれどすでに古い話題になりつつあります。
にしても、この事件、あるいは事故って、しゃれにならないレベルなんですよね。決して軽くは無いけが人を出しちゃっているんですから。
リアルアイドルならスキャンダルですよね。




さて、偶然たまたまその頃私は札幌にいました。そのニュースを知ったのは事故が起きた翌日なのでお土産で売っていた写真以外では該当の雪像は見ることが出来ませんでした。
いやね。話題だったみたいなんですよね。


報道などで知っただけなら、「どうせごく一部のオタクども(俺の同類)が騒いでいるのをおおげさに取り上げているだけだろう」といつものような醒めた目で見ていたんでしょうが、実際現地にいると「そういうわけではないのだな」と思ったんですよ。


人間の内面はわからないのですがね、初音ミクには興味なさそうなお年寄りが健在だった雪像を愛でていたり、千歳空港では家族連れが展示されていたフィギュアを写真に収めていたりしていたんですよねぇ。
おそらくは今回の事故で名前を知り、「これがあの初音ミクか」というのりだったんじゃないかなぁと想像しています。




リアルでこれだけのスキャンダルを起こしたら、起こした人の名前は売れるだろうけれどただでは済まないでしょう。たとえその後問題となるような対応をしなかったとしても、小うるさい人たちからはずっと陰口をたたかれるんじゃないかなと思いますよね。
しかし、初音ミクは実在しない。いや、実在するんだよな。だけれどバーチャルなんですよね。
初音ミクを生み出した企業やイラストレーターにはそれぞれ人格が存在するし、初音ミクという素材から生まれた二次創作、話題の雪ミクもそれに含まれるでしょう、を生み出した人たちにも人格は存在する。しかし、そうやっていろいろな人の手によって生み出されたものの集合体としての初音ミクの人格も彼女に触れる人、それぞれの中で存在しているんですよね。
そして、その人格は決してスキャンダルを起こさない。スキャンダルを起こすのはそれを生み出した人や、派生した創作物単体であって初音ミク全体ではないんですよね。




不幸な事故によって今まで存在を知らなかった人たちにも認知度が高まりました。この先彼女はどういう運命をたどるのでしょうか?
スキャンダル耐性あるということは劣化耐性もあるのだろうなと私は思います。劣化はしない、しかし、忘れられることはある。忘れられずにいき続けていくことができれば誰もが知っている本物のアイドルになるのかもしれません。