畑健二郎、二作同時連載について
私がここで多くを語っても興醒めの妄想にしかならないですがなんとなく少しだけ書いてみたくなったりしました。
ええ。ここには感想書いていないけどハヤテは毎週読んでますとも。そして「アド アストラ ペル アスペラ」もしっかり読まさせていただきましたよ。
漫画の常識を変えるというか壊す試みを今までやってきた畑健二郎さんですがこういうこともできるんだぜってことをまたやってくれてます。
思い返すと……
- ぱっと見最終回
- 表紙の吹き出し
- タイトルのデザイン変更
- 番外編で先の話をやってしまう
- アニメで先の話をやってしまう
- 本編で同人誌の宣伝
そんなところかな?他にもいろいろやらかしてる気がしますが。
まぁ、私に言わせればそのあたりは小さな話で、この漫画で今成し遂げつつあることは1000年に一度レベルでしかお目にかかれない物語の大変革だと思ってますけどね。
「ハヤテのごとく!」って漫画はあのときようやく気がついた構造を持っていると思って間違いないと信じています。そういう作品だからこそ他の作品、それは漫画とかアニメとか小説とか発表形態にはとらわれない「物語」という大きなくくりでの他の作品です、では、表現するのが難しいことにもチャレンジできて、それでいて本編は破綻しない、というか今までの価値観からいうと本編は最初から破綻しているので破綻しようがないってことなんじゃないかなぁと思っています。
無数のショートストーリーを順列並列に組み合わせることができるってことはどんな物語でも取り込むことができるし、脈絡なくメタな視点の話をぶっこむこともできます。登場人物それぞれが自分の物語を持っているということはそれぞれ持っている情報が違っていて読者にとっては重要な情報でもさらっと流すこともできるし、途中で何があったかを省略してある数日だけを切り出しせば先の話だって書くことができます。
畑健二郎さんはショートストーリーを生み出す力がものすごく強い。それがこの漫画の構造と相まって、いろいろな話がまぜこぜになってなかなか時間が進まないという現状になっていると思っています。そしてそれこそ実は世界中の文学者が挑戦していたらしい、虚構を現実っぽく描くことになっているんじゃないかとも思っています。
しかし、それでも、やっぱりこの漫画の中では書けない話があると思うんですよ。たぶん。
そういう話は次回作に使うのかなぁと思っていたのですが……。
新連載をやるというのを聞いて最初に思ったのはそういう話の受け皿にするんじゃないかということです。ハヤテのいる一つの世界では収まりが悪いけれど書きたい話を書く別の世界を作るんじゃないかなと。だからその世界にはハヤテもナギもヒナギクもいないんじゃないかなと。別の時空の話なんじゃないかなと。
新連載「アド アストラ ペル アスペラ」は未来の話を描くようです。その世界はもしかするとハヤテがいる世界からつながっていてある時回想的に語られることもあるのかもしれません。
私の予想が合っているのか間違えているのか、想像を超えた恐ろしいことをやろうとしているのか、思っているほどたいしたことじゃないのか。結論が出るには2年くらいかかるかもしれませんね(笑)。