ユーザーは、なぜSUVに殺到するのか

この記事のタイトルに対する答えは割と簡単で売れるからだと思います。付属品が売れることが多く利幅が大きいとか言ってもユーザーが買ってくれなければ話にならないのでそれは理由になりません。
私はかれこれ15年間、今でいうSUVのスバルフォレスターに乗っています。何度も書いていますが買った理由はフォレスターがいわゆるSUVだからではありません。相対的に安かったからです。相対的に圧倒的に安い車でした。そういう車にユーザーが殺到し値段が高くても売れるようになったというのは不思議な感じがします。しかし、一度この手の車に乗ってみれば次もやっぱりSUVにとは思ってしまいます。
今日は、なぜユーザーがSUVを求めるのかということを簡単に考えてみます。
といいつつも実は先週飲みながらたまたたまこの手の話をしていたのでその時のネタがほとんどです。



  • 1.ファッション

クーペ、ハードトップ、ハイソカー(死語)、さらにはクロカンタイプまで車は高価であるにも関わらず流行に左右される商品です。
SUVが流行っているから買うという人が少なからずいるはずです。そういう人の多くはブームが終わったら別の車に乗り換えていくのでしょう。
こういう層にとってはSUVであることが重要なのではなく流行っていることが重要なのであまり深く考える必要はないでしょう。

  • 2.広さ

ワゴンタイプなので荷物がたくさん詰める。後方が広いので実際以上に室内空間が広く感じます。5ドアのランサーに乗っていた時から感じていましたが、前を向いていれば見えないはずの後方空間というのが、なぜか広さ狭さを感じさせる要因になります。人間の感覚というのは不思議なものです。

  • 3.車高の高さ

運転していて視点が高いというのはそれだけで楽です。さらにもう一つ見逃せないのが乗り降りのしやすさです。すっと乗れます。すっと降りられます。高齢化が進む日本では見逃せない使い勝手の良さです。

  • 4.相対的な安さ

私がフォレスターを買ったときに比べればその輝きは薄れていますが、同じように広くて背が高い車に比べるとSUVタイプはまだ比較的安いです。おそらく多くのSUVが1.6リットルエンジンをベースとする車種のプラットフォームを流用しているからだろうなと。スバルはそもそもプラットフォームが実質1つしかないようなものなので例外ですが。当時のフォレスターが安かったのは、レガシィで開発してインプレッサまでで投資を回収した余りで作っていたようなところがあるのではなかろうかと邪推しております。それがヒット車種になるんだからわからないものです。

  • 5.走行性能

街乗り、高速、山道、どこに行っても快適に動いてくれます。作りは実質普通の乗用車で気を遣うところは何もないのに車高が高いからある程度の悪路も気になりません。バネのストロークが長いからセッティングの自由度も高いのかもしれません。ダンプにつぶされた初代フォレスターは腰砕けだったけれど今の2代目はびしっと決まっていい感じだったりするのでいじる幅が大きいんじゃないかなと思っています。


とはいえ、メリットの裏にはデメリットもあります。
ファッションで買った人が別のファッションに移る時にそれじゃかっこわるいからって言うのでいろいろ理由をつけると思いますが、SUVにだってそういう理由となりそうなことはたくさんあります。
1.駐車場を選ぶ
日本特有の事情かも知れないですが、高さ制限が厳しい駐車場が多いです。機械でくるくる回る立体駐車場なんかはだいたいだめです。東京に買い物に行くと苦労します。
2.維持費がかかる
こういう車に乗っていると雪山に行く人も多いと思いますが、タイヤが高い!私の車は215 60R16です。ブランドを選ぶと冬タイヤで10万超えます。高いです。高いです。たまらないです。そろそろ買い換えなきゃならないからお金を貯めないといけません。
3.洗車が大変
脚立が要ります。ガソリンスタンドで洗うときも若干お高めだったりします。
4.中が汚れる
見てくれがああいう感じなのでワイルドな使い方になってしまいます。いやこれは車のせいじゃなくて自分のせいか……。
5.燃費
少し大きい分重いし走行抵抗も大きいので当然悪くなります。ただ、大きめのガソリン容量が設定されていれば航続距離はそれほど短くありません。私の車は高速道路使う場合だと600Km無給油が目安になっています。もちろんお金はかかりますが昔の車に比べると燃費がいいので気にはなりません。毎日乗るような使い方をしていれば全然違うでしょうね。




自分が使っているものが流行になって、おそらくまた流行がすたれていくというのはおもしろいものです。