ハヤテのごとく！ 最終章 13 「Liberi Fatali」感想 終わりの見えないカウントダウン

ハヤテのごとく！

最終回に向けてカウントダウンをしているということはわかります。
しかしながらいつどのような形で最終回を迎えるのかがさっぱりわかりません。




ここにハヤテの感想を書くのも久しぶりです。
今週はやられまくった感がたまらないのでどうしても書きたくなりました。




今週の話、これですべてつじつまが合うのです。役者がそろい予定調和の美しい物語が終わりに近づいている。そう強く感じさせられます。
ただ、１点を無視すれば、です。




その１点が何かということについてはこんな辺境までこの漫画の感想を読みに来る人にわざわざ説明するのは失礼かと思います。
それさえなければこの漫画は普通に最終回に向かっているという感想しか持たずにどうしても感想を書きたくなるような衝動には駆られていないのですよ。
推理小説のルールでは、地の文では事実と違うことを書いてはいけないけれど利害関係者である登場人物の会話文では事実と異なることを書いてもいいというのがあります。
そういうのに慣れ親しんでいる私は創作者のミスリードには非常に寛容です。推奨していると言っていいです。
だからあれが作者のミスリードであって欲しいとすら思っています。


しかし、あれがもし作者のミスリードではなく本心だとしたら、それはそれでつじつまが合う部分が出てきます。
もしかすると今週の場面は物語の序盤で目にしたかもしれないんです。
私があることに気づいたのも暫定最終回ならぬ疑似最終回でした。こういう話を書くのは好きみたいなのでこういう場面はいくつも頭の中にあって当初予定していた最終回の場面はもうすでに描かれているのかもしれませんし、もしかすると今回のとは違うインパクトのある場面がこの先あるのかもしれません。だから、この場面が序盤で描かれていても何ら不思議はありません。
もし作者のいうとおり予定とは違う流れだったとしたら当時はぽかーんとしたある言葉が納得いくものになります。


この漫画のタイトル「ハヤテのごとく！」にするか「ロイヤルガーデン」にするか迷っていたという話です。


当時はこの設定に思い入れが強いんだなぁ程度に思っていましたが、もし序盤にこういう展開になる予定だったら納得できます。そして、アテネのポジションにヒロインナギがいたという話もものすごく納得いきます。
それはそれでつじつまが合うんです。


もしそうだとしたら、この漫画は現実に近い世界とファンタジー世界を行ったり来たりするスタイルの物語として認識されていたかもしれません。もしそうだったら、私は自分が気づいたと思ったことにはきっと気づかず、自分が持っている物語の類型に勝手に当てはめてなんら新奇性も感じずに過ごしていたかもしれません。
それはそれで読みたい気はしますが今はそう思うだけで実際そうなっていたらそんな感じだったかもしれません。


ここまで書いてきて気がついたことがあります。
結局今日衝撃を受けたことってすべてコミックス１巻とのつながりなんですよね。１話の扉絵と１巻の後書きですから。
おそろしい漫画に手を出してしまったんだなぁと思ってしまいました。


終わりが見えないカウントダウン。それはこの漫画の連載開始と同時に始まっていたんだなぁ。もしかすると私もそれを何となく感じ取って「この漫画には明確な終わりがある」という感想を持ったのかもしれません。




私がこの漫画にこれほどまでこだわっている理由とその説明です。