159話感想 日比野文の憂鬱?

つまりこれがスーパーハイブリッドコミックです。














いっそその1行だけにしようかと思ったのですがたぶん長めになる感想を書いておきます。



仮想今週の一コマ

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先週の鳩みたいな破壊力は無かったけれどじわじわ来ました。おれこのキャラ大好きかも。真顔でぼけるキャラっていいよ。
余談…。私の通っていた高校には生徒会長はいませんでした。なぜなら生徒会が無かったからです。もちろん生徒会室もありませんでした。それとは関係あるのかどうかわかりませんが職員室もありませんでした。なのに一応高校として機能していました。本当です。今でもちゃんと存在しています。生徒会が無いのはすっごく昔の学生運動が理由らしいです。大暴れしたらしいんですね…。他にもいろいろと変なところがある学校でしたがあんまり書くといろいろ具合が悪そうなのでやめておきます。畑健二郎さんがそういう学校があることを念頭に置いてこのセリフを日比野さんに言わせたとは思ってないですが、生徒会が無い学校にいた人でもこのセリフは面白かったと言うことで…。この余談の本当のところはいったい何人に通じるのでしょうか?

まとめ

今日のまとめは14巻がお手元にあった方がわかりやすいかと…。それと、先週のバックステージでの記述は信用することにします。体制には影響ないのですが信用するかしないかどちらかに決めないと書きづらいので…。あと、ここではめったにやらない他の作品への言及もするかもしれないです。


この展開は予想していた人もいたくらいで、ええ、私は「ないない(w」と思っていましたけれどね、それほど意外ではないと思います。しかし、実際こうやって目の当たりにするとびびりますねぇ…。
最後にマリアさんが唐突に出てきた印象がありますが、これはしょうがないのではないかと…。この話の主人公は文ちゃんなんですよ。文ちゃんがこの漫画の主要登場人物に出会うお話なんですよね。その文ちゃんは、先週の話で作者が思い付いて、おもしろいので新キャラにしたという曰く付きです。おそらく、畑健二郎さんが言う「新キャラ」ってのは、その人自身が主役の物語が背後にある登場人物のことなんじゃないかと思いました。
日比野文は彼女の物語の主役なんですよ。彼女の物語は今のところ生徒会長になるところがゴールみたいです。その過程で彼女を中心としたラブコメが展開があるかもしれないし、学院の暗部にその天然さを武器に切り込んでいってバトル展開を見せることだってあるかも知れない。そして生徒会長になっても実はそこは新しい物語のスタート地点に過ぎないかも知れないんです。そんな彼女の物語の中では、ハヤテやナギやヒナギク、そしてマリアさんも脇役なんですよ。
それと同じような話は今までもありました。例えば14巻。ヒナギクさんは一大決心をして西沢さんに自分がハヤテに恋してしまったことを伝えるじゃないですか。それに対する西沢さんの反応を見て欲しい。
ヒナにとっては大事なことだけれど、ハムにとっては、言葉は悪いけれど「どうでもいいこと」なんですよ。ヒナギクさんの物語を追っていくと、98話でハヤテが好きなことに自分で気づき、そこから新しい彼女が主役の物語が始まったじゃないですか。しかし、その物語は西沢歩の物語とは違うんです。西沢さんの物語の中ではヒナギクさんは脇役にしか過ぎないんです。116話以前にヒナギクさんから西沢さんへの告白があればまた状況は違ったと思います。しかし、この漫画の中での時の流れではそうはならなかった。116話以降の西沢さんは「振られキャラ」ではなくなっちゃったんですよね。七尾こずえを早くも越えています。


さよなら絶望先生で「他人の物語に巻き込まれる」っていう話があったじゃないですか。漫画に限らず小説でもそうですが、大概の登場人物は他人の物語に巻き込まれてしまいます。巻き込まれるで最初に思い出されるのはいつになっても笹沢佐保の「地下水脈」になってしまいます。あそこまで強烈に他人の物語に巻き込まれると逆に清々しいです。とにかく、多くの場合は主人公の物語に巻き込まれます。ハヤテのごとく!でも同様のケースはもちろんあります。主人公のハヤテ自身が巻き込まれキャラですから…。しかし、この漫画の場合は、ほとんどの主要キャラがそれぞれ自分の物語の主役になっていて、それが本編で時系列に従って描かれているんです。
ヒナギクさんの物語では一大事であっても西沢さんの物語ではそれほど大きなイベントではないということだって当然あるんです。


話を日比野さんに戻しましょう。
彼女は彼女で彼女が主役の物語があることは今週呈示されました。今までこの漫画に出てきたキャラはその物語を中心にするとみんな脇役であり、今までこの漫画で描かれてきたストーリーも日比野さんを中心にすると、過去のサイドストーリーに過ぎないんです。
ハヤテのごとく!という漫画とは全く関係なさそうな彼女の物語です。作者が何を思ってこういう設定にしたのか?、二つ考えられます。

  • 1.1年生のキャラが予想外に面白かったので今後も生かすために次期生徒会長っていう設定にしようと思い立った。
  • 2.もともとヒナギク引退イベントは用意されていて、たまたま思い付いたキャラがおもしろかったので引き継ぎ先は彼女にしようと思い立った。

1の場合は私も比較的平静を保っていられます。もし、2だとすると…。恐ろしいことです…。日比野さんはハヤテのごとく!という漫画の中では予定外のサブキャラでしかありえないです。思い付きで生まれたキャラにストーリーを与えて、あまつさえ、それを今現在進行中の週刊少年漫画の中で描こうとしていると言うことですから…。


そして、1であっても2であってもこれだけは言える。日比野文さんの物語がどこでゴールなのかを考えてみて下さい。それがこの作中で描かれるかどうかはともかく…。


日比野文が生徒会長になること=桂ヒナギクが生徒会長から引退すること


になる可能性が非常に高いです。間違いないと断言してもいいくらいでしょう。
ヒナギクさんの物語と文ちゃんの物語はそれぞれ別物です。しかし時間で同期をしている以上、それぞれが影響を与えあってしまうと考えられます。さらに言うと、ヒナギクが生徒会長という属性を失った時、あるいは後継者を決めた時、彼女はいったい何を思うのでしょうか?もしかすると自分の気持ちを素直に恋する人に伝える気になるかも知れません。そうするとそのタイミングでハヤテのごとく!という物語が大きく動くことだって考えられます。この漫画の登場人物たちはみんなして属性がどんどん変わっていくんですよ。絶対無いとは思うけれどナギが大金持ちという属性を失っても驚かないだけの準備はしておかなければなりません。


脇道に逸れすぎました。まとめのまとめにかかかります。


スーパーハイブリッド構造の効果として

  • ・複雑であるが故にその裏側で流れていく時間が見える
  • ・複数のストーリーを組み合わせることによってより「現実」に近い物語を作り出すことができる

があります。
それ以外にも、これも前に書いたと思いますが

  • ・物語の追加や削除の自由度が高い

という利点もあるのではないかと想像していました。これは想像であって実例があったわけではないんですよ。しかし、先週、今週でその実例が初めて出てきてしまいました。


もし、ハヤテのごとく!と言う漫画が普通の漫画だったら、日比野文というキャラクターとその背後にある物語を思い付いてもそうそう簡単に物語に組み込むことはできなかったんじゃないかと思います。むしろ、面白いキャラだから次の連載の時ヒロインにしようかなどと思っていたのかも知れません。
ハヤテのごとく!はそもそもが主役級の設定を与えられた登場人物ばかりで構成されている漫画です。その中に作者の思い付きで投入された新キャラ「日比野文」。彼女がは本来ならば主役、あるいはメインヒロインになることができたかもしれません。それでも彼女は憂鬱にはならないでしょう。ハヤテのごとく!という漫画の中であっても、彼女は彼女の物語の中では主役なのですから…。



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