三村芳和著『酸素のはなし』
- 作者: 三村芳和
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 新書
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疲れたり、息が切れたりすると、ついついうっかり生半可な知識で「酸素が足りない」などと言ってしまう酸素。
この本では、その酸素について様々な角度から検証を加えています。
非常に面白かったですが私の知識レベルでは要約するのは困難ですね。雑学的に分子生物学の本とかも読んで、実は酸素は猛毒でもあるという話を見たりしていたのですが、それはそれである一面から見た話であってそうとも言い切れないんだなぁと思いました。
この本はカオスです。いろいろな学問分野が入り乱れています。私が興味を持っていて、比較的知識も有ると思われる、地球物理学的な立場から見た酸素の話もありました。そして、それは経済学につながっていきます。恥ずかしながら知りませんでしたよ。地球の酸素濃度は何度も変わっていて、その要因の一つに「鉄」があっただなんて…。
酸素というともしかすると数年前、いやもっと前かな?に話題になったとある小説を思い出す人もいらっしゃるかも知れません。動物が酸素を活用できるのはミトコンドリアが共生しているからで…っていうお話。まぁあの小説のことは思い出したくないです。俺にとってはここ数年で一二を争う地雷でしたから…。どうしてあんな本買っちまったんだろう…。自分に嫌気がさす…。それはともかくですね、そういう話も網羅されています。盛りだくさんもいいところです。
読書感想文の題材としては難易度が高すぎるかも知れないですが、読むには面白い新書ですよ。
お薦め。