ハヤテのごとく! 178話感想 ナギとアーたん

ここに感想を書き始めて以来、おそらく一番感想が書きづらい話ですね。そしてそれは来週以降も続くと思います。
いつものスタイルは難しいので、だらだらとテキストを書き連ねてみます。




と思ったけれどこれは個別に…

表紙

夏服のナギ。原作本編でこの姿を見るのは早くても来年、もしかしたら再来年かも知れませんね(笑)。長い目でみないとね。いかんね。





まとめ

ふと思うところあって読書感想文タグもつけてみました。
自己分析すると、私の感想にはある特徴があります。それは、先読みが多いと言うこと。私はどうやらかなり前からそういう本の読み方をしていたらしいです。そのことに気づいたのは『ハヤテのごとく!』の感想を書くようになってからですけれど…。
先読みしていると、「ああ、これはこうなるんだろうな」とわかることがあります。それが合っているのか間違えているのかはともかくわかる。たとえば一昨年書いたハリー・ポッターの話なんか典型的で、そこでどういう選択をするかはわからないけれど、きっと最後に問題になるのはあそこだろうな、っていうレベルです。まだ読んでいないから合っているかどうかわからないんですけれどね。
この漫画は情報過多です。作者が先の情報をコミックスやらバックステージやら、あげくの果ては本編でも出してくれます。先読みをしているつもりがその先まで作者がバラして来るってのは今まで経験が無かったわけで…。それがハマった大きな要因ではあると思います。


ご承知のように先週までの話では、まだ予告されている作中ゴールデンウィークでのミコノス島行きは本決まりになっていません。ただ、行くことは決まっている。そのことを読者は知っているけれど作中の登場人物たちは知りません。それを踏まえて今週の話を読むとこういう言い方をすることができます。


ハヤテが将来ナギに出会うことを読者は知っているけれど、この時のハヤテはそれを知らない。




ここからやっと本編に触れていきましょう。
「2度目はない」。145話(14巻5話)「Distance〜近くても」で触れられた伏線です。今週の話はその1度目なのでしょうか?そう言い切るにはまだ材料が足りませんね。そもそも1度目がこれなら2度目とはだいぶ状況が違う。2度目は親がハヤテを捨てたのですが、1度目はむしろハヤテが親を捨てたという雰囲気です。この漫画で一番無理がある設定はここですよ。ここ。常識はずれのお金持ちとか、何でもできるスーパーメイドさんとかは漫画だからと言う理由で許せる。でも、この親に育てられたハヤテが、まぁ決して人間的に褒められた行動を常に取るって言うわけではないですけれど、それでも、自分が不幸になるとわかっている道を選ぶような少年に成長するとは思えないですね(笑)。


とにかく、2004年のクリスマスイブと同様、ハヤテは自暴自棄になって死を覚悟します。そこに一人の女の子が現れました。


天王洲アテネ=アーたん


初めて出てきたのが88話(9巻3話)ですから、約2年待たされた勘定になります(笑)。この漫画は長い目で見ないと(ry
今週の話を読んだだけではアーたんがハヤテの回想だけに登場するキャラなのか、『ハヤテのごとく!』という物語が進んでいる世界でもハヤテたちと交流をするのかはわかりません。畑健二郎さんが先週のBSで「必須のイベント」とおっしゃっていたと思うので、この過去での出来事を読者に知らせないと物語は進まないということなんでしょう。私は「アーたんの呪縛」を解く鍵が呈示されるのではないかと思っていますけれどね。
普通の物語ならせいぜい伏線として示唆される程度で明確に呈示されたりすることはあり得ないんだけれど、この漫画の場合はそういう材料はすべて呈示するのではないかと。だってそうでしょう?ヒナギクの過去なんか、4巻のプロフィールで知らなかった方が98話に至る流れで感動できたかもしれないじゃないですか。
「そういえばあそこであんな伏線が!すげー!」
みたいなね。




今週の感想は最後にちょっとだけ触れますがひとまずここまでです。


続いて他の登場人物との絡みについて書いてみます。ヒナギクと雪路はちょうどこの頃親に捨てられています。ナギとマリアさんはミコノス島にいたころかもしれません。日本にもいたかも知れない。もしかするとコミックス中扉で描かれたエピソードのうちどれかはこの時期を想定しているのかも知れません。西沢さんは、どうなんだろう。わからない。
とにかく、同じ時間に他の登場人物もみんな生きているんですよね。
この時点では登場人物同士の交流は無いので通常の本編同様複数の物語を絡ませることは難しいと思いますが、なにかしらの仕掛けを施すかも知れません。予想はしているんですが、当たっちゃったらあれだし…って感じなので書くのやめようかなぁ。どうしようかなぁ。感想を書き始めて最初の頃は後出しじゃんけんだと思われるのが悔しかったのでバシバシ書いていましたけれど最近はちょっとね。そういう細かい手法的な所って予想されちゃったが故に使えなくなるみたいなところがあるから。予想するは絶対に変えられないところに限った方がいいんだろうなと思います。思うだけで行動が伴っていないですね(笑)。


昨日も書いたけれど、一番気になっているのはマリアさんなんですよ。彼女の過去が描かれるとこの漫画の全体像が見えてくるように思えてなりませんね。




ようやくまとめのまとめに入れます。
物語の途中で過去を振り返る。こういう構成は決して珍しい物ではありません。すぐに思い付く漫画というとスピリッツに連載されていた『F』でしょうか。突然父親の話になっちゃってねぇ…。告白すると、あの漫画その場面まではかなり真面目に読んでいたんですが、過去の話になってから流し読みになっちゃったんですよね。私は車オタでもあるので、そういう漫画を期待して読んでいましたから。コミックスを買っていないぬるい読者だったからだとは思いますけれどね。
言いたいのは、こういうことをやるにはリスクを伴うと言うことです。今までのファンのうち一定の数は失うのではないかと思われます。しかし、畑健二郎さんはそれをやるんですよ。これはね、この漫画を読んで最初の頃に書いたことなんだけれど、過去ログあさったら2005/9/14に書いていましたね、畑健二郎さんというか『ハヤテのごとく!』は「志が高い」のですよ。今より人気を得られるからこういう方向に変えて…みたいなことをするくらいなら打ち切りを選ぶくらいの潔さを感じたのです。だから、こういう展開があっても私は驚かないですね。


最後になりましたが、おそらく皆様もお気づきの点を1点指摘して終わりにしましょう。
アーたんとナギ。この2人はハヤテにとっては非常によく似た役回りを持っています。しかし、おそらくは性格とかそういうところが全然違う。
ハヤテとアーたんの物語は既に終わっています。今日出会いが描かれましたが、読者にとってはすでに別れることがわかっている出会いです。この物語のエンディングが作中で描かれるかどうかはわかりませんが、それはそれで「最終回」にしても遜色ないようなラストシーンになると予想しています。
おそらくはハッピーエンドではない最終回。ハヤテは既にそれを経験している。その経験があるからナギとのエンディングはまた違った形になる。畑健二郎さんはそれをあらかじめ読者に伝えておきたいのではないでしょうか。


とうまいことまとめたっぽくなっていますが、ダメ。なぜか。マリアさんが抜けているから…。マリアさんがねぇ。マリアさんがいなければまだ理解の範疇に収まる物語なんですよ。難しい。ジャンル問わずにわりといろいろな本を読んできたけれど、私が読んだ中では一番難しい物語が『ハヤテのごとく!』ですね。一面だけ見れば簡単なんだよ。逆にそれがミスリードになっているのがわかるから苦しいんだよ…。





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