ライトノベルや漫画しか読まない連中は……とか批判する連中にはとりあえず『灼眼のシャナ』2巻を読んでもらおう
- 作者: 高橋弥七郎,いとうのいぢ
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2003/04/01
- メディア: 文庫
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でも、俺は自分ではカテゴライズするのが嫌い。だから、せっかく今までバカにしていた物に触れる機会を得たのだから、その作品に敬意を払い、変なカテゴリーに押し込めず、自分が今まで読んできたいろいろな作品と同列で読んでみたい。そう思っている。
昨日の記事で『灼眼のシャナ』という作品の読書感想文を書きました。
- 2008/9/15 読書感想文 高橋弥七郎著『灼眼のシャナ』
感想文を書いた後、何の気無しにぱらぱらともう一度眺めていたんですよねぇ。そしたら、なんかおかしな事に気づいた。そして、いただいたコメントを読み、もう一度確認をしてみて、なるほどそういうことかと思った。
恥ずかしいのですが、『灼眼のシャナ』2巻のエピローグを読んで、一読しただけでは私には何がなんだかわからなかったのですよ。なんか引っかかる物を感じて、じっくり読んで初めて作者が何をしようとしているのかがわかった。それをわかった上でもう一度しっかり読んで、ようやく内容を把握することができた。
そして思ったんです。
もしかしたら、全員じゃないだろうけれど、ライトノベルや漫画を読み慣れている人の中には、この表現を一読しただけですんなり理解することができる人がいるんじゃないかとね。
イラスト1ページ込みで8ページしかなくて、「ライトノベル」らしく会話が多く改行も多い文章ですが解読するのは大変ですよ。
コロコロコロコロ視点が変わっているんですよね。それが最初わかんなかった。んで、それがわかって読んでもなかなか全員の立ち位置がつかめなかった。
まずはシャナの視点でしょ。次は佐藤の視点。続いて田中。そして池。お次は吉田。最後に主人公。
順を追ってまとまって書かれているから何とか追える。おそらくこれを漫画やアニメにしたら誰でも簡単に追えると思うのですよ。でね、思ったのはね、この本を読んでいる人のうち一部はこの場面で漫画やアニメの一場面を容易に想像することができて、こんな小難しいこと考えなくてもすんなり理解できるんじゃないかってことなんです。
数十年ぶりに漫画をきちんと読むようになってからまだ3年。ライトノベルを読むようになってからは2年程度。それも読んだ作品数は数えるほど。あまり偉そうなことは言えません。
だから逆に思うのです。
これだけ多くの作品に触れている今の若者たちの読解力にけちを付けるのはおかしいと。自分の経験で言うと、本って言うのは読めば読むほど何が書いてあるか何となく理解できるようになります。フィクションの中にはゲームのシナリオも含めていいと思います。むろんフィクションでなくても、たとえばネットにあふれている文章も含まれます。玉石混交なんですが、逆にそれがいい。いいものだけしか読まないよりいろいろな物をとにかく大量に読んでいる。おそらく私が子供の頃からは想像もできないくらい大量のコンテンツに触れている人がごろごろいるんです。
そんな彼らを批判できるだけの力を持つ人はそれほど多くはいないと思うのですけれどねぇ。
関連記事:2006/6/6 読解力自慢
当時自分ではライトノベルとか読んでないのによくもまぁこんな事を書いていた物だと感心する……(笑)