読書感想文 ヤマグチノボル著『ゼロの使い魔』15巻 忘却の夢迷宮

当然ですがネタバレを含む感想です。


使い魔が死んだ場合には新しい使い魔を召還することができるというルールは既に学びましたが、虚無の担い手が死んだ場合にどうなるのかという話は今回初めて出てきたんじゃないでしょうかね。
担い手4人、使い魔3人が世界に現れましたが、そのうち1人ずつがこの世を去りました。秘宝はどこにいったのだろうか。それがちょっと気になるところ。
ブコメとしての『ゼロの使い魔』も継続してはいますが、最初から勝負はついているのでルイズがやきもきする場面を見るのが楽しみってだけですね。今回のルイズの言ったことを読んで小坂明子の『あなた』を想像する世代は確実にいると思う。

なんか、このサイト安いんですけれど(w
ついでに一番需要があるやつへのリンク

横道に逸れてしまった……。
「メイドはいらない」がおもしろかったですね。シエスタが不憫だ。でも、彼女の存在があるからこの作品の深みが増しているというのは疑いようのない事実です。


さて、私は『ゼロの使い魔』が世界に通用する作品であると思っているのと同時に、極めて日本的であり日本では多数派だけれど世界的には少数派な考え方が根底にあるとも思っています。15巻にはその特徴がよく出ている。
ルイズが信仰への疑問を素直に口にします。おそらく、ある一つの宗教がコミュニティのベースになっている場合、ここはなかなか理解しづらいのではないかと想像しています。中世ヨーロッパの物語をベースにしながら、それを翻案発展させて、少なくとも私にとっては原典より面白い物語に仕立て上げている、そう思います。




火石ってのは核兵器にあたると現代に住んでいると思うのですが、そこに突っ込んでいくとなんというか、あんまり面白くない感想になっちゃうような気がするんだよなぁ。
とにかく、虚無の担い手の一人はこの世を去った。狂っている男がさごに正気を取り戻しこの世を去った。しかし、まだ狂った担い手はいる。彼を「狂っている」と見なせるのは、別の虚無の担い手とその使い魔だけなのかもしれませんね。
新しい虚無の担い手がだれになるのか。すんなり思い付くのはあのくそいけすかない娘ってことになります。タバサは既に魔法使えていますからねぇ。タバサの母って可能性はあるのか。もし仮にあの娘が虚無の担い手だとすると、力を持ってもろくな事にはならないし。使い魔が入れ替わるって事は、もしかするとティファニアに頭が紐づいて、あの娘には胸が紐づくかもしれない。となるとまーたぐっちゃぐちゃなことになりそうです。


そんな緊迫した展開の中、ルイズとサイトはいちゃいちゃし続けるんですかね。