ハヤテのごとく! 197話感想 三千院家の特に何もない一日……

いや、まだ始まったばかりだけどね(笑)。


本編をお読みの方ならわかってくれるはず。っていうかわかって欲しい。今週のハヤテは感想を書きづらいことこの上ない。少なくともいつもの私のやりかたではどうやってもうまいこと書けそうもない。
しかし、考え方を変えてみると、今週ほど感想を書きやすい話もないのかもしれません。そう。いつものスタイルを捨てさえすればいいことなのです。


ということで、今週はベタで長文テキストを書きます。




ハヤテとナギとマリアさん。主人公とメインヒロイン2人による、特に特筆すべき事もないある早朝の出来事。今週の話を一言でまとめてしまうとそうなるでしょう。
朝早起きしたからおなかがすいちゃって、食べたら今度は眠くなる。ナギは可愛いなぁと思いましたね。うん。普通に書けばそれで終わりだな。


さて、では、今週の話、つまらなかったのか?そう問われると、別に特別つまらなかったわけではないです。逆に面白かったのか?そう問われても別に特別面白かったわけではありません。普通なんですよ。漫画内の日常が描かれた普通の話。引き合いに出すのが適切なのかは微妙なんですが、『よつばと!』の世界に近い話ですね。架空の時空での平凡な日常。そして、私がいつもやっているように、この話から何か特別な意味やら次回以降に続くところとかを感じ取れるかと問われても、それもないんですよね。本当に平凡なお話。
でも、多分作者はこういう話を描きたかったんだろうし、もしかすると私自身もこういう話を求めていたのかも知れない。


極論を言えば、こういう話だけをひたすら積み重ねて行って、この漫画が終わることになっているある日付に到達しても構わないとさえ思うのです。そして、この漫画が終わる時、もし仮にこういう日常だけが描かれていたとしても感動してしまうと思ったんですよ。
おそらく、この漫画が終わった後、あるいは終盤に入った頃には、こういう3人の日常はたとえそれを望んでももう手に入らない物になっているのではないか?少なくともマリアさんの立場は今とは全く違うものになっているのではなかろうか?そう思えてなりません。
ハムヒナ中心のラブコメみたいな派手な話が好きな私から見るとどうしても地味に見えます。おそらく、こういう話ばかりだったらうっかりコミックスを手に取ることは無かったと思います。でも、逆に、こういう話が好きな人にとっては私が好きな派手な話は邪魔であって、メイン3人の日常が描かれればそれでいいのかもしれませんね。
この漫画ではその両方を違和感なく描くことができます。


たとえば、この話の裏で何が起こっているのか?ここまできたらそれを考えることだってできちゃいます。屋敷の話なのに出てこなかったクラウスやタマやシラヌイはどうしたのか?ワタルくんとサキさんは仲むつまじく寝ているのだろうか?ヒナギクさんはもしかすると好きな男の子のことを考えて眠れない夜を過ごしていたりするのだろうか?考えようと思えばいくらでも思い付きます。
そうではない、とおっしゃる方もいると思うし、そっちの方が多数はなのかもしれません。でも、少なくとも私にとっては、『ハヤテのごとく!』という漫画に描かれている架空の時空はすでにそこまでリアリティを持ってしまっています。個人差が有ると思いますが、私は比較的そうなりづらいのですよ。だから、こんなとらえどころのない物語でそういう感覚を持つことがどうにも信じられないんですよね。


今週の話、物語が佳境に入ってから、あるいは終わった後に読み返すとぐっと来るような気がするんですよねぇ。こんな日常もあったんだなと。


思ったよりは短かった。今週の1日目はこれでおしまい。