読書感想文 志賀直哉著『好人物の夫婦』
- 作者: 志賀直哉
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2005/04
- メディア: 文庫
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とにかく読みやすいです。そして読むと面白い。なのに感想は書けません。あらすじを書くくらいしか思い付かない。
旦那がもともと浮気性だった夫婦のお話です。奥さんは心配で心配でしょうがないけれど、でも旦那を信じてもいる。そんな心の揺れ動きが面白いです。
で、面白いのは、この小説、主人公の旦那視点なんですよね。でね、読者はその旦那の言うことを無条件に信じるわけですよ。でも、よく考えると、それこそが作者の仕掛けた罠なのかも知れない、とも思えるの。そういう目で見るとまた違う感想を持つに至るわけだ。人のよい奥さんをうまいことだましきった旦那さんのお話という(笑)。
作者の意図がどこにあったのか。それは作者にしかわからないことかなぁと思います。とにかく、この作品も読者に想像の余地が十分に残されています。面白い小説でした。