読書感想文 竹宮ゆゆこ著『とらドラ！』２巻

とらドラ〈2!〉 (電撃文庫)

逢坂大河ってルイズだよね。


という話は後半に書きます。前半では２巻の単体感想を書きます。


先日いただいたコメントで名前は把握していたのですが、川嶋亜美ってほんとやな女ですね(笑)。たぶん俺なんかだところっとだまされちゃうでしょうけれどね(笑)。


1巻の感想で

変化球っていう印象を持った

って書いたんですが、２巻を読んで、よくよく考えてみるとむしろこっちが直球なのかなぁ。
美少女に片思いする主人公の男の子高須竜児。彼の思いには気づかないヒロイン。これはむしろ直球。ハーレムチックな最近のラブコメと言うより俺が子供の頃のラブコメだな。
ただ、違うのが、手乗りタイガーの存在。恐らくこの小説のメインヒロイン、っていうかもう一人の主人公と言っていい逢坂大河も北村祐作に片思い中。でも、大河も竜児も自分でも気づかないような心の奥底ではお互いのことを意識しているけれど片思い続行中。


２巻ではサブと言うにはあまりにメインっぽいポジションにいるヒロインの櫛枝実乃梨がその本領を発揮。さらには上記やな女登場。そして変な生徒会長まで……。この小説にはヒロインクラスの普通少女はまだ登場してないなぁ。みんな変な人。だが、そこがいい。


いつものようにこの先の展開を予想してみます。
亜美が、だれか、おそらくは竜児に恋をするんじゃないかなぁ。最初は大河に張り合う演技みたいな気持ちだったのが、いつのまにか本気になり……ってパターンかな。いちおう仮にもラブコメの男主人公ですからそのくらいの良い思いはしてもいいでしょう。
この物語の終了条件は、竜児と大河のゴールイン、あるいは別れのいずれかでしょうね。互いに互いを認め、互いに互いを必要としている(んじゃないかな？)２人がこの先どうなっていくのか……。
続きが読みたいです。






さて、ここから冒頭の話に戻ります。


大河って『ゼロの使い魔』のルイズだよね。いや、ツンデレ属性とかそういう意味合いではなく状況的にルイズ。ただ、裏返しになっている。
ルイズは好きだけれど大河は……っていう人もいらっしゃるだろうし、逆に大河とルイズを比べるなんてゆるせねぇと思う人だっているかも知れないですが、俺はそう思いました。
ルイズはプライドは高いけれど劣等感の固まりのような女の子で、作中で巨大な力を持ちましたよね。逆に、大河は圧倒的な力を持っているけれど作中で初めて自分の弱さを人に見られたって感じなんですよ。そして、２人には共通点がある。


孤独。


ルイズはカトレア以外に自分をわかってくれる人はいないと思っていた。そして、大河は実乃梨以外には自分をわかってくれる人がいないと思っていた。
そこに、自分をさらけだすことができる男の子が現れた。
状況はほぼ同じ。んで、俺はそういうのが好き。フィクションの中ではそう言う女の子が大好き(笑)。


『ハヤテのごとく！』の桂ヒナギクも似ているんですよねぇ。普段は隠している自分をさらけ出した瞬間に可愛くなるってのは絶対あります。でも、川嶋亜美の場合は……。うーん……(笑)。


先日ラブコメヒロインについての記事を書きました。

• ラブコメのヒロインには３つの類型しかない

『とらドラ！』に出てきている女の子たちは、今のところまだどこにも分類できません。おそらく亜美は演技派から一途に移行して、大河も一途になっていくんだろうなぁと思いますが、一番ヒロインらしいポジションにいる実乃梨がどういうポジションになるのかさっぱりわからない。１巻を読んだあとでは『灼眼のシャナ』の吉田一美みたいな感じになるのかなぁと思ったんですが、違うみたいですねぇ。




と言う感じで２巻の感想を終わりにします。
この記事の後半みたいな書き方って、実は俺は好きじゃない。わざと自分が嫌いな書き方をしてみました。他作品引用をするってことは、その作品を読んでいて、かつ、その作品、あるいはその作品の登場人物にある一定の評価を与えていることが前提になっているんですよねぇ。
難しいのですが、これからも折に触れて両方の書き方を対比して書いてみたいと思っています。そうすることで自分自身の勉強になりますから。