読書感想文 ヤマグチノボル著『タバサの冒険3』
- 作者: ヤマグチノボル,兎塚エイジ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2009/03/25
- メディア: 文庫
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フライング感想であることは自覚しておりますが、本編の内容がさっぱりわからない俺の趣味嗜好性癖が出るだけの記事になるので自重しません。読書感想文と銘打てばなんでもありだと思えるようになってきたのですがそれはきっと間違っているような気もしていますが気にしない。
- シルフィールド(イルククゥ)がタバサの使い魔になるまでのお話
- いつもの冒険談
- タバサ視点から本編で既に描かれているイベントを書いた話
- タバサになるまで
っていう4話が収録されています。
酔っぱらって電車の中で読み終えることができました。だいたい40分くらいってところか。さっき初めて口絵のイラストをみたんだけれど、昔のタバサの方が今よりも大人っぽくみえているのは仕様でしょうか?
さて、上記4本のなかで、俺がすごく気に入った話があります。それはいつもの冒険談です。
そんな重くはないけど微妙に謎解きなんですよ。こういう話は好きでねぇ。もしかすると推理小説の行く末はここにあるんじゃないかと思います。
『ゼロの使い魔』がベースとしているハルケギニアという架空の世界にはその世界の物理法則やら行動論理やらがあるじゃないですか。まずはそういう世界を構築して、その世界の中でその世界の論理に従って謎解きをするってのは有りだと思うんですよね。グインサーガも外伝でやってましたけれど、あれも面白かったもん。
推理小説ってどうしても「リアル」のしばりから逃れられないんですよねぇ。実際に再現性がないトリックだと叩かれる。だったら、それが再現することが前提となっている世界を構築すればいいんですよね。コストはかかるけれど面白いトリックもできるはず。いや、俺にはそもそも架空の話自体考える能力がないのでそう言う能力がある人ならできるはずと言った方がいいな。
推理小説にはポイントとなるところが3点有ると思うんですよね
- 1.謎の呈示
- 2.秘密の開示
- 3.ロジック
謎の呈示がうまいなぁと思うのは島田荘司氏。本当にうまい。とりあえず読んでみたくなる。秘密の開示がうまいのは京極夏彦氏。解決部分だけもう一度読み返したくなる。
いわゆる新本格というジャンルに分類される作品を発表する人たちはロジック寄りか上記とは違うレベルの叙述トリックで魅力を産み出している人が多いように感じています。どちらが難しいのかはわからないですが、古典的な名作も含めロジックに偏重した作品が多いような印象を私は持っています。
タバサの冒険3に収録されている謎解き要素がある作品は、そのロジックがなかなかいけていると俺は思うのですよ。結末を読んで思わずニヤリとしてしまいました。酒のせいではなくね(笑)。
作中ではその謎を解くのは2の次になっていますが、今度同じ作者による同じ世界での謎解きメインの話を読みたいなぁなーんて思いました。
とはいえ、ゼロの使い魔でいえば「ルイズ可愛いよルイズ」で有ることに変わりはありませんけれどね。
さて、タバサも女王様になってこれからはなかなか冒険できなくなるのかも知れません。もしかすると『タバサの冒険』シリーズは3巻で打ち止めなのかなぁと思ったり……。どうなんでしょうか?
でも、もしそうだとしても、タバサ以外にも外伝を作れそうなキャラはいると思うのでまだまだ展開はあるんでしょうねぇ。