この春就職する君に送る5つの言葉

まず最初に言っておくとおれは負け組だ。サラリーマン生活は社会に出てから半分しかしていない。いやになってやめた。ドロップアウト組だ。でもやめてから初めてサラリーマン生活が楽だって事に気づいて戻った。でも給料は安い。しかも職種はちょいと特殊。そして現場指向が異様に強い。上昇志向がない。そんな人間の書くことなんだから話10%くらいで聞いて欲しい。

  • 1.就職は単なる出発点
  • 2.自分の能力は上司に正しく理解されない
  • 3.面白い仕事なんて無い
  • 4.企業と個人はパートナー
  • 5.自分を売れる力を持とう




  • 1.就職は単なる出発点

どの会社に就職したとか初任給がいくらだったかなんてことはこの先10年20年を考えるとそれほど大きな意味はない。大きい会社であればあるほど、その組織の中での格差は大きく、上の方にいられる人は相対的に少ないから組織内負け組になる可能性も高い。給料がよい会社であればあるほどリスクは高いし仕事は忙しい。給料がよくないと働いてくれないから高いんだ。
就職したばかりの時点で別の会社に就職した人や就職できなかった人と自分の立場や給料を比較することにはさほど意味はない。就職して5年後にもしドロップアウトしていなかったら比較してみよう。おそらく今は見えなかった何かが見えるはず。

  • 2.自分の能力は上司に正しく理解されない

むろん理解してくれる上司も少なからずいる。しかし、理解されないことの方が普通だ。俺自身いい年なので若い人と一緒に仕事をすることもあるんだけれど、彼ら彼女らの能力をおおよそ把握するためには数ヶ月が必要になる。それがさくっとできる人はそれなりの立場に上がることが多いような気がしている……。
上司は自分のことをわかってくれない、という不満を持つことがあるだろう。でもそれは当たり前のこと。逆にもし自分のことをわかってもらえたならそれはラッキーと思うべき。

  • 3.面白い仕事なんて無い

と言ったら言い過ぎだけれど心構えとしてはそう思っておいた方がいい。仕事ってのはお金がもらえるってこと。お金がもらえるってのはなんらかの代償を自分が支払っていると言うこと。また、他人ができないことをやるとか、誰でもできるけれどできることならばやりたくないことをやるとかいう場合にその代償としてお金がもらえる。
「こんなことをやるためにこの会社に入ったんじゃない!」という話をよく聞くし、社会に出たばかりの時はそう思ったことだってある。最近だってそう思うことがある。大きな組織であればあるほどそう思う確率は高くなると思う。企業ってのは組織なのでそれぞれが自己主張をしてやりたいことをやっているだけじゃ回らない。もしどうしてもやりたいことがあって、趣味の範疇でもそれができるのだったら趣味でやるべきだ。そしてその趣味がいずれ企業のためにも自分のためにも役に立つことがあるかもしれない。

  • 4.企業と個人はパートナー

最近の報道などを見るととても気になる。あたかも労働者が企業の下に位置づけられているように思える。そう思ったら負けだと俺は思う。
企業と個人は依存しつつも切磋琢磨して互いを高め合うパートナーのような関係だと考えるといろいろ見えてくる。そういうことを考えていると、もし将来独立起業する気になった時とかにすんなり企業の立場に立つことができると思います。
企業としての売り上げや利益を高めるために自分が何をすればいいのか?見返りだけを求めてはいないか?
そして、個人の方だってパートナーを選ぶ権利があることを忘れてはいけない。逆に企業の方もパートナーを選ぶ権利があることも見落としてはいけない。
良好なパートナーシップからは幸福が、険悪なパートナーシップからは不幸が得られる。
お互いに……。

  • 5.自分を売れる力を持とう

まだ就職していないのにこんなことを考えるのは時期尚早かも知れないけれど、今の世の中をみているとこれは絶対必要だなと思う。
そもそもステップアップ指向がある人には言うまでもないことですね。もちろん、入社した企業に一生奉公しようと思う人だっているだろうけれど、奉公しようと思っていてもその奉公先が無くなる可能性だって否定できないわけだし……。
そして、その組織を出てもやっていける力があれば、その組織内での立場も自ずと上がっていくはずです。








と、偉そうなことを書いてみたけれど、自分自身を振り返ると就職した時こんなことはこれっぽっちも思っていませんでしたねぇ(笑)。手に職付けるってのが主な目的でしたから(笑)。
こんな話はおそらく自己啓発書みたいなところに書いてあると思うんですが、たまーに立ち読みしてみるとなんか違うんですよね。うまくいえないけれど俺の現場感覚的に違う。
おそらくは本になったりするは「勝ち組」の言葉なんだと思うんですよ。「負け組」の感覚とは本質的にどこか違うと思う。
いくつか書いたけれど一番大事なのは「パートナー」っていう考え方だと思います。この記事では就職っていうテーマがあったんで上では触れませんでしたが、お客様との関係も、っていうかお客様との関係により強くそれが関係するんですよ。その考え方に思い至ってから仕事に対する意識が変わりましたね。残念ながら持っている能力は変わらないのですが……。


まぁね。就職してそれがうまいこと行かなくてもいたずらにへこむことはないですよ。引く勇気が必要な場面だってあるはず。俺の周りにだってたくさんそういう人いるしね。特に若いうちはいろいろな道を試してみることだってできるんですから。


あまり力入れずにまたーりとがんばりましょう!


まさかとは思うけれどこれを読んでいるこの春就職する人と一緒に仕事することになったりしてね。世間は狭いからねぇ。怖い怖い……。