アニメ『ハヤテのごとく!!』(ハヤテのごとく!2期) 16話 「スターダストメモリー」感想 物語の終わりと始まりと途上

世間一般の小学校、中学校、高校では今日から夏休みですかねぇ。
アニメ『ハヤテのごとく!!』の感想を読みに来てくださったみなさまには関係ないことですが、このサイトは『ハヤテのごとく!』感想サイトの一つでもあると同時に、読書感想文サイトの一つでもあります。
毎年この時期になると読書感想文というコンテンツがあるサイトは笑っちゃうくらい大量のアクセスに晒されます。おそらくこのサイトの読書感想文は独特なので宿題を片づけるという目的を果たすことにはあまり役に立たないのでは無かろうか?むしろ自分が読んだ本を他の人がどういう見方をしているのかを娯楽として暇な時に楽しむというレベルで読んだ方が楽しめるのでは無かろうか?と書いた本人は思っていますが、実際にはせっぱ詰まった時期に大勢の読者が読みに来てくださいます。


そもそも私がこの日記に読書感想文関連の記事を書いたきっかけは検索誤爆でした。さらなる誤爆を引っかけるために記事を書いたら予想外に大勢読みに来たっていう経験がなければその世界に入らなかったとは思います。
しかし、読書感想文を書く動機はもう一つありました。


ハヤテのごとく!』原作を読んでしまったからです。


この漫画を読んで得体の知れない感覚に襲われました。面白いんだけれど思い白い理由がさっぱりわからなかったんですね。そして、それがわからないことが悔しかった(笑)。『ハヤテのごとく!』がなぜ面白いのか?万人に通用するような理由でなくてもいいから、自分自身が納得できる理由が欲しかったんです。その理由を探すために、子供の頃から今に至るまで避けて通ってきたいわゆる名作文学を読んでみようかという気になったってのもあるんですよ。
過去の名作に当たればもしかすると『ハヤテのごとく!』が面白いと思った理由もわかるかもしれないと思ったんですよね。


その過程ではいろいろ寄り道もしました。作者、畑健二郎さんの意図をくみ取ることもある程度できたと思っていますがはずしてしまったことも多いです。




2007/2/21。コーヒーを飲みながら朝の一服を楽しみつつサンデーを読む日常を過ごしていました。そう。確かにそれは日常でした。しかし、『ハヤテのごとく!』116話を読んで暗転しました。




数分、もしかすると数十秒だったかも知れない。でも体感的には何十分も経ったような気がしました。
最後のページを読んだ瞬間、わかりました。『ハヤテのごとく!』がなぜ面白いと思えたのか。なぜ私は今まで読んだ本と根本的に違うと感じていたのか。答えが出ました。そして、今までずっとずっと考えて、考えても考えても思い付かなかった『ハヤテのごとく!』を一言で説明することができる言葉も自然と思い付きました。



ハヤテのごとく!!』16話ではそのお話がアニメ化されました。


「夢の中より夢のよう」






この話、本編はほとんど同じなのですが、原作に演出の違う2つのバージョンが有ります。1つ目が上記のサンデー掲載版です。おそらく編集担当者による演出だと思われます。


もう一つはコミックス収録版。そちらは畑健二郎さん本人による演出だと思われます。
一番大きく異なるのが最終ページです。
畑健二郎さんには申し訳ないのですが、この話に限っては編集担当者の演出が原作者に勝っていると思います。むろん、雑誌とコミックスでできることが違うのでなぜそのままにしなかったのかというつもりはありません。

  • サンデー掲載分



  • コミックス掲載分




そして今回、アニメスタッフによる演出バージョンが世に送り出されました。というか、特別な演出無しで送り出されたと言った方がいいでしょうね。おそらくこれは動画と紙という媒体の違いによるものなのでしょう。また、30分番組という制約の中、いかんともしがたいところではあったのでしょう。さらに、原作者によって企画ネタが重要な伏線として取り込まれてしまい、それをアニメで放送するのが難しかったということもあるでしょう。
おそらく『ハヤテのごとく!!』16話だけを見たみなさまが、原作を読んだ時の私と同じ感慨を持つことはないのでは無かろうか?そう思いました。むしろ、既に放送された13話や、来週放送される予定の17話で同じ感想を持つ人がいらっしゃるかもしれませんね。


現在アニメで放送されている下田温泉編は見ての通り複数の主人公によるストーリーが並行して描かれています。そのうちの一つ、西沢さんが主人公の約1年に渡る物語が16話で終わったと言うことです。13話でヒナギクさんの10年に渡る物語が終わったのと同じように……。そしてその物語の終わりは他の物語の進行には根本的な影響は与えないのです。西沢さん自身の物語は16話を経験したことによって一度終わったけれど、彼女の別の物語が16話を起点として始まります。そして彼女はこの後も他の物語の脇役で有り続けます。そのことを理解してようやく私には『ハヤテのごとく!』という作品がなぜ面白いのかが理解できたのです。






以下、原作既読者向けです。








あり得るとは思っていました。「夢の中より夢のよう」には平板な演出を選択しましたね。これを初めて見てどういう感想を持つかは今の私には想像できないのが残念です。
しかし、それによって逆にカオスな感じが深まったというのはあります。何が本筋なのかが見えません。アニメだと原作の何週か分を一度にやるから余計にそんな感覚を持つんでしょうね。コナンサンタがたぶん大人の事情でできないとか下田温泉話を来週までにまとめなければいけないとか、ぼーっと見ていた人に打ち切り最終回だと思われてはいけないとかいろいろと事情はあったのでしょうけれどもうちっと演出があってもよかったかなぁと個人的には思います。放送前に既に感想前半を書いていた俺の個人的な思いですが(笑)。


さて、来週ですが、本当にあのサブタイトルなのか(笑)。いや、まぁ、そうなんだけどさぁ。実際俺もあれを読んだ瞬間あのサブタイトルしか思い付かなかったしねぇ。過剰演出するなよ。実績から見てあれができちゃうからねぇ。やっちゃったらちょっとやばいな。個人的にやばい。
いずれにしろアニメ2期から入った人の感想が楽しみな話ではあります。


来週も放送前に感想を書き始めるという無茶なことをしてみようかなぁと思っています。これだけ原作通りにやってくれるとそれが比較的容易にできますね。




ああ、あとDVDですが、たぶん買います。レンタルもするみたいですね。そこそこ需要があるという数字が出たのでしょうかね。