ハヤテのごとく! 桂ヒナギクの初恋から失恋までの軌跡
記事タイトルに異論がある人もいらっしゃるでしょうができれば最後まで読んでもらえるとありがたいです。
なお、この記事はコミックス各巻とこのサイトに自分が書いた感想、さらにハヤテのごとく!カレンダーを参照して書きます。
2005/1/7 出会い
35話〜36話(コミックス4巻4話〜5話)です。作中の新キャラとして登場しました。ハヤテにスパッツを見せてからかっていました。私が見るところ、この時点ではまだ「恋をした」とまでは言い切れないでしょうね。ちょっと気になるって感じかな。
ただ、ここでヒナギクはハヤテに対して一つ他愛のない嘘をつきます。その嘘をつかせた気持ちがもしかすると淡い恋心なのかも知れません。
2005/1/14〜17 ご縁
39話〜42話(コミックス4巻8話〜5巻1話)。その過程ではいろいろありましたが結果的にハヤテはヒナギクと同じ学校に通うことになります。白皇を受験すると聞いた場面でのヒナギクの表情をどうみるかってところですが、ここでもやはりまだ恋をしているとは言えないのかなぁと思っています。
2005/1/18 主導権
44話〜46話(コミックス5巻3話〜5巻5話)。この時点ではむしろヒナギクがハヤテに対して主導権を握っているような印象です。しかし、それは恋心の裏返しかなと思うくらいに目立つようになってきました。ハヤテに自分の本質を見抜かれたというのもその変化が起こったように見える理由の一つかも知れません。
2005/2/1〜3 怒り
52話〜63話(コミックス5巻11話〜6巻11話)。マラソン大会の話から執事とらのあなに至る流れです。
吊り橋で屈辱を受け、ハヤテに対する呼び方が変わりました。今思うと、その屈辱の一部は「自分<<<<<<ナギ」とハヤテがみなしたというところにもあるのでしょうかね。
しかし、極限状態ではとっさに前の呼び名が出てしまうあたりがかわいいです。でも、この頃のヒナギクは自分の気持ちを前面に出すことなど考えられませんでした。
2005/2/14 仮面
66話(7巻3話)。バレンタインデー前編です。ハヤテに恋をしている別の少女の前で自分のちょっとした気持ちも伝えられずに悶々とするヒナギク。しかし、それをハヤテには見せることができずあくまでも優位に振る舞おうとするヒナギク。
ハヤテへの恋心が確立したのはこの時ではなかろうか。
2005/2/20〜22 嘘
75話〜82話(8巻1話〜8話)。期せずしてハヤテを自宅に泊めることになったヒナギクさん。そこに西沢さんもやってきて……。だれにも見られることがないお風呂の中で自分の気持ちに嘘をつきます。ヒナギクは西沢を応援する。自分でそう決めてしまいました。
2005/2/27 悪の女王
88話(9巻3話)。まさかこの話が……
2005/3/1 気づき
91話(9巻6話)です。この話があるからこの記事のタイトルに「初恋」という言葉を入れました。この時初めてヒナギクはハヤテに恋をしているかもと自覚したのではないでしょうか。むろんすぐに自己否定するわけですが。
2005/3/2〜3 ラブストーリーの始まり
92話〜98話(9巻7話〜10巻2話)。ファンの間では著名な(笑)ヒナ祭り祭りクライマックスの98話です。
ここからようやくヒナギクとハヤテのラブストーリーが始まります。主人公はヒナギク。相手がハヤテ。ヒナギクの恋は実るのか。
余談ですが、98話はラブストーリーが始まる話であると同時に、それまでのヒナギクが抱えていたストーリーの大団円でもあります。ハヤテへの恋心を自分自身で認めることによってヒナギクは自分の物語に決着をつけることができたということでしょう。
2005/3/11〜13 裏切り
112話〜123話(11巻5話〜12巻5話)。下田温泉編。ハヤテとはあまりはなす事ができなかった同じ目的地への小旅行です。しかし、ヒナギクはマリアに自分の気持ちを打ちあける。マリアはその相手が誰なのかと言うことは知らないけれど、その気持ちを抱いている人がヒナギクであると言うことはおそらくわかっている。問題は、ヒナギクはマリアにはそういうことについてアドバイスをする能力が高いと思っていること。
2005/3/14 素直になれなくて
125話〜127話(12巻7話〜9話)。バレンタインデーと対をなすはずのホワイトデー編です。ヒナギクも何かを期待しています。しかし、自分の気持ちに素直になれず、西沢への遠慮もあり必要以上にハヤテに対してつらく当たってしまいます。しかし、思いがけずハヤテからのプレゼントを受け取ったヒナギクさんは精一杯の虚勢を張ります。
2005/4/3 逆転
143話〜146話(14巻3話〜6話)。行きがかり上、自分のバイト先に新しいバイトとしてハヤテ、ナギ、西沢が来ることを知ってしまったヒナギク。もう嘘は突き通せないと西沢に自分の本当の気持ちを打ちあけます。しかし西沢は意外なほど率直にその気持ちを受け入れ、友人関係を維持しつつライバルとしてヒナギクと共存する道を選びます。
その結果、ヒナギクと西沢との関係が逆転します。
2005/4/13〜14 デート
162話〜164話(15巻11話〜16巻2話)。成り行き上とはいえ、ヒナギクはハヤテとデートをすることになりました。しかし、そこには数多くの障害が……。でもラブコメでありがちな他の登場人物が出てきて妨害するみたいなことはなかったんですねぇ。みんなおとなしくしていた。その理由は、ヒナギクとハヤテの間には何も起こらないであろうと確信しているから。ヒナギクさんにとってはさびしい話です。
電車の音に紛れ、ヒナギクさんが言った言葉はハヤテには伝わりませんでした。もし伝わっていれば……。もしかしたら違う未来があったのかもしれません……。
※この先コミックス貸し出し中のためちょっとあやしい。
2005/4/17 抱きしめられて……
176話。着ぐるみを着た状態で好きな人に後ろから抱きしめられるヒナギク。しかし、それを素直に受け入れることができない……。
そして……
ギリシャ旅行でハヤテから女の子として見られていないことに気づいたり、自分の気持ちを相手に正確に伝えることを決意したり……。
初登場の時から見るとヒナギクは変わりました。別のキャラクターと言ってもいいくらい変わりました。
失恋
239話。ヒナギクは自分の気持ちをハヤテに伝えることができず……。ハヤテはようやく自分の気持ちに気づき、それをヒナギクに伝え……。しかし2人の思いが重なることはありませんでした。
ヒナギクのラブストーリーがこれで終わるわけではないようですが、もし仮に今ここで『ハヤテのごとく!』が最終回を迎えたとすればバッドエンド以外の何者でもありません。
強烈なヒロイン属性を持つキャラクターの失恋。それも、自分の思いを相手に伝えることすらかなわないままの失恋。
この展開を予想した人はいたのでしょうか?
しかし、これからもまたヒナギクの物語は続くはずです。この恋の行方が変わるのか、あるいは全く別の方向性を持つ物語になるのか、それはわかりませんが、失恋をしてもめげずに思いを伝え続ける西沢歩がいる以上、恋の終わりが物語からの退場を意味することはないでしょうね。
以下、蛇足です。
コミックスを貸し出している事を思いだし、今さらもう1セット買いに行くのも面倒だったので最後の方がグダグダになってしまいました。
それはともかく……。
個人的な感想として、ヒナギクさんが主人公のラブストーリーだけを取ってみれば、確かに面白いしせつない話ではありますが、他を圧倒しているという感じはしません。恋愛ものは余り読まないのですが、このストーリーがそんなに特殊な物とは思えません。
くどいですが繰り返します。この物語の特異性は別の所にあります。
それは、ヒナギクのラブストーリーがサイドストーリーの一つとして描かれているという所です。
私はこの漫画大好きです。もちろん個々のキャラクターやそのキャラクターそれぞれが主人公のストーリーも好きですが、一番好きなのはこの漫画のシステムです。複数の物語が時間軸をキーとして互いに深かったり浅かったりする関連性を持ちながら進んでいくこの漫画のシステムが大好きです。愛していると言ってもいいでしょう。
とはいえ、239話でいちおうの決着を見たように思えるヒナギクの初恋物語は、これ単品でも十分楽しめました。
この漫画にはこの先もこういうストーリーが大量に混ぜ込まれることになるはずなんですよ。私はそう思っています。
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