山の事件・事故 2009年

なんというか、今年は山の事件事故が印象に残る1年になっちゃったなぁと……。




山で起きたことは当事者以外にしかわからないんですよねぇ。私の印象では今思い起こせる3件はすべて事故だと思うのですけれどね。


3件が3件とも全然違う印象受けた遭難事故でした。
1件目では、まさに山の恐ろしさを感じました。山はこわい。いくら怖がっても怖がりすぎることはない。
2件目は、むしろ、無常感を感じました。怖いことに変わりはないのですが怖さの質が違う。より身近な怖さと言ってもいいかもしれません。
そして、3件目。おそらくはそういう山の怖さを最もよく知る人たちも遭難しました。わかっていてもどうにもならないこともある。恐れていても避けられない危険がある。


最近ではほとんど山登りはしませんが、学生時代まではハイキング+αくらいのノリではよく行ってました。北アルプスでも白馬と表銀座は行ける程度と言えば山登りをする人にはわかるでしょうね。
山登りから学んだ一番大きな事、それは「引く勇気」です。先に行きたい、そして行ける、それでも引く勇気が必要になる局面ってのは何度も行っていると必ずあります。そこで行ってしまって結果的には問題なかったこともありますが、引き返したうちの何度かは、もしその勇気がなければ自分自身のみにも事故が起こっていたかも知れません。


今年の秋、秋田駒ヶ岳に行きました。温泉のついでに行ったのでそれこそ軽いハイキング気分です。歩く時間も2時間から3時間程度でしたし。
ところが、天候が悪かった。最初雨が降ってきた。その時はまだ行こうと思いました。しかし、雨が雪に変わった。その瞬間、自分たちの体力と装備、そして技量を考え引き返すことを決断しました。


一時期登山を趣味にしていましたが、幸運なことに一度も遭難事故には遭っていません。幸運。そう、ただ幸運だっただけです。数ミリ足を踏み外していたら怪我では済まないような事故が起きていたかも知れませんし、決断が一瞬遅れたら2度と下界には戻れなかったのかも知れない。
しかし、申し訳ないですが、それも山の魅力の一つなんですよね。悲しいかな、その危険にも人を引きつける要素がある。


スポーツ、スポーツ以外の趣味もそうですかね?すべてに言えることでしょうけれどリスクを承知の上で楽しむ物です。逆に、リスクがないものは面白く無いのかも知れません。