桂ヒナギクが失恋した理由 〜 ハヤテのごとく!



一日早いですが誕生日企画記事です。タイトルがあれな感じでお祝いって雰囲気ではありませんがね(笑)。




この記事の企画を思い付いたのは260話を読んだ直後でした。その時のメモにはこう書いてあります。

260話でのヒナギクの役割は他のキャラクターでも代行できた。

ここでサブヒロイン役になったのはキャラクターとしての人気故なのでは無かろうか



俺は260話を読んでこう思ったのですよ。
ヒナギクさんが失恋したのは、ヒナギクさんの読者からの人気が高いためなのではないかと。それが唯一絶対の理由である、とね。
ヒナギクさんの人気がそれほど高くなければ、個々で割を食うキャラは他のキャラ、たとえば西沢さんでもよかったのかもしれないなぁという印象を持ったのです。


しかし、そういう印象を持ってから1週間以上が経ち、さらには『ハヤテのごとく!』が内包する物語の一つの終わりと、『ハヤテのごとく!』が内包する別の新しい物語の始まりを告げる261話を読んで考え方が変わりました。


やはり、ヒナギクさんはここで失恋するよう、あらかじめ決められていたんだろうなぁと。




というか、そもそもここまでの流れの中ではヒナギクさんには勝ち目がない勝負だったんですよね。ハヤテの心を溶かす事ができる人は10年前に決まっていました。でも、もし仮にその人とハヤテが再会することがなければまだ勝ち目はあったのですが、ヒナギクさんとハヤテが出会うためにはハヤテと白皇学院につながりができなければならなかったんですよね。園は食おう学院にはハヤテの思い人がいる。ヒナギクさんとハヤテが出会った時点で、ヒナギクさんの勝ち目は無かったというとても切ない状況になっています。


西沢さんは事情がずいぶん違います。回想シーンにもあったように、ハヤテが親から捨てられなければ勝ち目があった、というか敵がいなかったに近いです。
そう考えると面白いですね。作中でははっきりと自分の気持ちを相手に伝えている西沢さんは、そのタイミングを逸したがために現時点でハヤテと結ばれることがなかったのですが、読者がいらいらするくらいに自分の気持ちを伝えることができていないヒナギクさんは、どのタイミングで思いを伝えてもおそらくはハヤテと結ばれることは無かったんじゃないかなぁと思えるんですよね。




登場人物の行動は作者が決める物だと思うのですが、ヒナギクさんの場合はあらかじめハヤテに振られることが物語のデザインで決まっていたとしか思えないんですよね。
アテネにとってヒナギクさんはどんな人でしょうか?ハヤテの場合は、白皇に来た時点でアテネとの再会は約束されていたような物ですが、実はその前にイベントがあった。10年の時を隔てて、自分の思い人と同じ名前で自分のことを呼んだ少女。閉じたままでいたかった記憶の扉を開けた少女。その少女と出会ったことがアテネの時計を動かしてしまったのかも知れません。




さて、日本に戻った面々は一体どういう関係になるのでしょうか?どうもヒナギクさんとアテネはライバル関係になるようです。おそらくその関係構築にはハヤテを巡る一悶着が絡んでくるのでしょう。ただ、2人はただ単に一人の男の子を巡り争うだけの関係ではないような気もするんですよね。
西沢さんは恐らく立ち位置が変わらないでしょう。ヒナギクさんとともにアテネ対策を練るのかも知れませんね(笑)。




この記事は2月最後の日に書いています。書く前に22巻の最終話を読み返し、そして260話、261話をもう一度読みました。ハヤテの視点、アテネの視点、そしてヒナギクの視点で読みました。結果的にはそれはサイドストーリーなのかも知れませんが、『ハヤテのごとく!』の中で、ヒナギクさんを中心とする物語は、異質ではあるのですがこの要素がなければもっとわかりやすくてここまで入り込める漫画にはならなかったのではないかなとも思えてきます。


ヒナギクさんは失恋してしまいました。約2ヶ月に渡る恋物語は残念な結末に終わりました。しかし、『ハヤテのごとく!』はまだまだ続きます。この漫画は見ての通り複数の物語が並行して同期せずに描かれて行きます。きっとヒナギクさんは他の物語の登場人物として活躍し続けるでしょう。それだけではないですね。ヒナギクさんが主人公の新しい物語もきっと用意されているはずです。すぐに始まるのかしばらく経ってから始まるのか。一つだけ用意されているのか、まだまだいくつも用意されているのか。それはわかりません。ただ、ここまで読み進めた以上ほとんど確実と言ってもいいのではないかと思える予想があります。それは、それらの物語の先に、『ハヤテのごとく!』のトゥルーエンドと同じタイミングなのか違うタイミングなのかもわかりませんが、とにかくこの物語の行き着く先には、ヒナギクさんにとっての唯一無二のエンディングがきっと待っている。