読書感想文 岩崎夏海著 「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」



一言で感想を書くと「面白かった」ってことになります。っていうか面白かったからここに感想を書くんですけれどね。




物語の設定としては思いっきり感情移入できるのですよ。っていうか状況が目に浮かぶ。地域は違うけれど、私立に席巻されている東京で、「都立の中では」という但し書き付きだけれど比較的強いスポーツ部がある都立高校っていうのは、俺が通っていた母校と同じ状況です。最近の若者の話を聞くと今も同じような状況らしいですし。
そして、筋立てとしては王道。王道であるが故に安心して読めますしおそらく多くの人にとって心地よい本になっていると思います。悲しい要素を取り入れたサクセスストーリーですからねぇ。


俺はドラッガーの著作、読んだこと無いです。断片的に目にしたことはあるけれど通して読んだこと無いです。なので、この小説が原典の「いいとこ取り」をして成り立っているのか、そうでないのかは判別できません。しかし、入門書にはなっていると思いますね。子供の頃に読んだ「XX入門」とかで、中身がストーリー仕立てになっているものがありました。この本を読みながらそういう本のことを思い出しました。


もしかすると雨後の竹の子のように同様のコンセプトを持つ作品が世に送り出されているのかもしれません。この手の本は話題になったもの勝ちかなぁ。いや、話題にならなかったら存在意義が無いのかも知れません。その世界を知らない人のための入門書なのですから……。