読書感想文 畑健二郎著『ハヤテのごとく!』26巻 伏線、あるいはネタバラシ

ハヤテのごとく! 26 (少年サンデーコミックス)

ハヤテのごとく! 26 (少年サンデーコミックス)

限定版の方は売れ行きよさげですが、もしかして作る数をちょっと絞り気味にしたのかも知れないですねぇ。限定版は、それで儲けるというよりも発売日に平積み台を2ブロック確保するっていう意味合いの方が大きいかも知れません。


通常版はコンビニで、限定版はまだ開いている時間に帰れたので地元の本屋で確保。なにやってるんだか……<おれ


業務都合で1日遅れてしまいましたが感想を書きます。



限定版と通常版で別帯になってる。どちらも台湾でのドラマ化告知が表で、裏は人気投票がメイン。300話で発表か。もう例のナギの漫画をやるという流れでは無くなっているからなぁ。巻頭カラーでももらえているんでしょうかね?あと3週ですね。
その週は答え合わせ記事を書きたいなぁ。


表紙

秋っぽくていい感じ。なんか普通。とりあえず今のアパート住民はこんな感じっていうご紹介も兼ねているんですかね。

裏表紙

ネコミミいいんちょさんとタマという異色の組み合わせ。あの話はまぁ強烈だからな。ある意味(笑)。

背表紙

神父か……

表紙裏

こっちもドラマネタ。なんとかして日本でも流して欲しいだろうな。作者も出版社も。原型をとどめていなければそれはそれでネタになると考えていてもおかしくない。

裏表紙裏

なんと裏表紙裏もネコミミ泉ちゃん(笑)。作者のお気に入りになったのかな?

背表紙裏

神様つながりでシスターか。



中扉

そうだよねぇ。おそらくこういう場面があったんだろうねぇ。アテネと愛歌さんはアテネで出会っているんだよねぇ。その話が本編で描かれるのはいつのことだろうか?意外とすぐだったりしてね。

目次

ナギに障子を与えてはいけない。



本編

1話 (273話)「ドキッ♥乙女心★ときめき大作戦♥とかなんやかんや」

連載時の感想には自分で考えたサブタイトルをつけるようにしているのですが、後から見るとこっぱずかしいですねぇ(笑)。苦労しているんだよね。全く報われないし効果もない苦労なんですけれどね。
薫、雪路サイドの話。ハヤテの天然ジゴロっぷりがいかんなく発揮されています。物語に出てこない女の子たちにもフラグを立てまくっているのか……。
ターゲットとなった女の子がまた出てくることはさすがにないと思いますが、畑健二郎さんだったらこの子たちにも物語を用意しかねないからなぁ。

2話 (274話)「にゃにゃにゃにゃにゃーん」

このサブタイトル、改めて出てくるとすげーなぁー。
屋敷サイドとアパートサイドがパラで描かれる話です。ナギが積極的に何かをしようとするとろくなことは起こらないと言うのが屋敷サイドの話。ナギのこの属性は今後無くなっていくんだろうなぁ。たぶん……。
アパートサイドの話は感想表題通り。瀬川泉ちゃんのはまり役。他の登場人物では無理。
猫と人間がわかりあえないっていうネタは好きです。
しかし、それにしてもこのタイトル、本当は意味がある言葉を置き換えたものなのだろうか?なにがはまりますかねぇ。考えてみたんだけれどイマイチいいのが出てこない。

3話 (275話)「にゃんにゃんにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃーん♥」

んで、このサブタイトル。「おいおい」と思った。これもなんかの言葉を猫語に置き換えたのかなぁ。
しっぽを振ってもスルーされるいいんちょさんっていったい……。
でもラストはちょっといい話って言う落差は好きだ。

4話 (276話)「ニャーン♥」

三度続けると肝が据わっているとか思ってしまいます(笑)。
ハヤテとヒナギクのラブコメも描きつつ、ナギと母の絆も描かれるという不思議な話。
それでもちゃんとオチはある。

5話 (277話)「エンもユカリもこの場所で」

276話までで基本設定の説明をしたって感じです。ここから新連載。ナギとマリアさんもアパートの住民として生活を始めます。
ここに仕込んであったのか……
ルカの苗字が……。
セカンドアルバムが「水蓮寺」ってことはきっとファーストアルバムが「ルカ」だったんだろうなぁと。ここ、コミックス修正入っているのかな?たぶん入っていないと思うんだけれどなぁ。確認するには切り抜きを掘り出さなきゃならんので30分くらいかかるから一通り書いてから掘り出そう。
ナギはこのアパートで人と出会い、成長をして、そしてお金も得ることになるんでしょうかね?

6話 (278話)「特典の恐るべき力」

次のかその次のかは微妙だけれど、ナギが屋敷に戻るエピソードが暫定最終回なんじゃないかなぁと。トゥルーエンドかも知れないけれど、なんか違うような気がするんですよね。
っていうか、神父、悪霊のくせにバカンスとは恐れ入ったぜ。
ハルさんがアパートに興味を持ったというお話。ナギたちが屋敷を出るのと同時に、他のレギュラー陣の居場所が変わります。

7話 (279話)「やさしい目をした誰かに会いたいね」

ちょっといい話で終わると見せかけて思いっきり落とした。ボディーソープの例えはどうかと思うぞ(笑)
ここでワタルくんサイドの話が久しぶりに出てきましたが、向こうは向こうで同じ時を生きているんですよねぇ。

8話 (280話)「It’s DESTINY」

今現在とっても検索エンジンに愛されている感想を書いた話です。びっくりするくらい愛されています。
3000号だから三千院ってことばかりではないと思いますがね(笑)。サンデーを支える、ということは小学館を支える作品の一つになっているってのはあるんだろうなぁ。
ここではハルさんがナギの漫画のことを「前衛芸術」と評している。先の話は書きませんが、俺はこの漫画を真剣に読んだ当初は「前衛芸術」だと思いましたねぇ。歴史は繰り返す……(笑)
とにかく、もう一人ハヤテと同じように不幸な人がいるってことが「読者には」明かされました。1億5千万円もの借金を抱えていることはハルさんも知らないのかも。そういえばハルさんはハヤテがナギの執事をしている事情を知っていたのかな?それも知らないかも。読み返してみないとわからないなぁ。
コミックスになって、前の話から続けて読んでみても思うことは同じですね。
ルカ、もう一人のハヤテ

9話 (281話)「ボクの誕生日は10月19日です。てんびん座です」

うってかわって喫茶どんぐりサイドのお話です。喫茶店って便利な場所だよねぇ。たまり場になるからいろいろなキャラを出すことができる。潮見高校の面々との最初のインターフェースは喫茶どんぐりになると予想しています。
しかし、今はまだ、登場人物同士の関係は構築できていません。宗谷のことを知っているのはメインキャラではハヤテと西沢さんだけ。でも、夏になればきっとアテネ、あるいはナギが……。短編集の後書きを読む限りはアテネだろうなぁ。きっと。違うかなぁ。ミスリードかなぁ。
そしてハルさんは西沢さんとはまだ出会っていない。この2人が出会っても何も起こりそうにないですが、なにか用意されている可能性は否定できないです。こういう意味ありげな前振りをされるとね。無意識かも知れないしそれこそミスリードかも知らないですけれどね。
ハヤテが持てる理由はわかりましたが俺が持てない理由も同時にわかりました。何で覚えられるのか全くわからない。自分の誕生日すら忘れそうになることがあるのに。
そして、ラスト。異様にアグレッシブなハムスター。ハヤテのスルー力が試されます。

10話 (282話)「私にハッピーバースデー」

ハヤテ、スルー力有りすぎ。通常スルーできないところもきっちり隙間を見つけてスルーしている。
この話の前半だけ読むと、まるで西沢さんが小悪魔のように見えます。そして、へこんでいる後半を見ると、なんだかいい感じに思えてきます。やっぱ、一人だけ好きなキャラを選べと言われたらおれは西沢さんになるなぁ。漫画としては特異なキャラだし、なのに魅力はあるからなぁ。
でも、この話のほんとの主役はナギ。何度も書いているけれど連載開始当初からは想像できないような性格になっています。そのナギの気持ちがちゃんと伝わる西沢さんももちろんいい感じですけれどね。

11話 (283話)「たいていの苦労は誰かの側にいるためにある」

トラの引っ越し&ヒナギクブコメ
考えてみると、西沢さんってすでにラブコメエリアからは離れてしまっているんだよな。好きな人に告白もしちゃったし(初登場時にだけれど)、その気持ちが伝わっていることも確認できているし、その気持ちを「今は」受け入れてもらえないこともわかっちゃったし……。それでもあきらめないのが西沢さんの特徴。
それに対してヒナギクはまだ告白すらできていない。っていうか、そっちがよっぽどふつうじゃん。告白ってラブコメ的に言えばクライマックスだったりするじゃん。西沢さんの設定の方がラブコメ的には異常。
あのアテネ編があったのに、まだこういう話を描ける余地があるんですよねぇ、この漫画は……。それができるのは西沢さんというキャラのおかげのように思えます。何があっても「あきらめない」という選択肢がなければ、たとえヒナギクがハヤテのことをどんなに好きであってもあそこでラブストーリーは強制終了しちゃっているでしょうね。



おまけ

なんとまぁ、アテネさんですよ。アテネさん。こういう使われ方をするとは思わなかった。
内容は前にあったキャラ紹介です。誕生日は11/30。もうすぐですね。なんか年末の誕生日多いよなぁ。イベント目白押しになるのかなぁ。
そして、最後の質問。
キスは何人としたのかと……。
まったくもう遠慮がない。
そういうネタはともかくとして、設定的にはアテネはハヤテのことをあきらめていないんだろうなぁと。この漫画のラストシーンは、ハヤテ、あるいはナギが誰かとくっつく、っていう性質ではないと思っていますが、もし、ハヤテの方の決着が用意されているとしたらアテネっていう可能性は当然残っていますね。
前にも書いたけれど、現状では
アテネ>>>>>ハム>>>>ヒナ>>越えられない壁>>ナギ
って感じですからね。いずれマリアさんがここに割っては行ってくるのかも知れないですけれどね。

後書き

近日予定されている大きな発表は、アニメ3期ではないと言うことなので、普通に考えれば劇場版くらいしか思い付きません。原作を踏襲するとしたら過去編とゴールデンウイーク編が対象ですかね。

次巻予告

今度は2月。冬かぁ。またコンビニで買わなきゃならないのかなぁ。

限定版特典

コストかかっている。お金がかかっているという意味ではなく、いや、それもあるんだろうけれど、それ以上に次巻コストがかかっていると思いました。
わざわざ2ページの漫画を書くかぁ。カラーイラストだけでも十分だろう……。すごいサービス精神だよなぁ。



まとめ

週刊連載を読んでいる人はご存じのようにこの後、少なくとも2つの物語が同時進行で進んでいきます。26巻はそこでは描きづらい登場人物をメインにした話と、そこにいたる設定の説明になっているのかなぁと思いました。
この漫画の場合、週刊連載時に気づかなかった伏線が張られていることは少なくないのですが、今回はタイミング的にもばっちりで意表をつかれましたね。よくよく見るととても不自然。推理小説なら間違いなく「ん?あやしいなぁ」と思う記述です(笑)。漫画だからスルーできてしまう。


舞台も登場人物も様変わりしていきますが、それでもこの漫画は『ハヤテのごとく!』として続いていく。そして、最後に読者が、「なるほど、こういう漫画だったんだなぁ」というエンディングが用意されていると俺は思います。




1時間半くらいかかったか。けっこう疲れたから連載切り抜き確認して必要なら修正したら寝る。




掘り出しは断念しました……整理整頓スキルが欲しい……