読書感想文 河田惠昭著『津波災害』 とにかく逃げなきゃだめだ

津波災害――減災社会を築く (岩波新書)

津波災害――減災社会を築く (岩波新書)



今回の地震関係なくこの本を見つけたらその瞬間手に取っていたでしょうね。んで、ぱらぱらめくってふらふらとレジに向かっていたでしょうね。俺の興味にど真ん中です。




地震の件は今週末あたりに書こうかなぁと思っているのですが、津波の知識はそれほどないんですよね。地震に比べてって言う意味で。地震だって別に専門家じゃないけど。
ゆっくり地震については知識がありましたが、この本に書かれていた「大津波が起きやすい揺れ方」ってのは知らなかったです。大きな揺れが長時間続くのかぁ。まさに……、それだな……。


津波防災の専門家が書いた本らしく、安心すべき所とそうでないところ、今後改善されるべき所などが的確に指摘されているように思えました。しかし、結局は逃げることが肝心なのですね。どんなに対策を打っていてもとりあえず津波が来るという情報を得たら逃げる。たとえそれに何度も惑わされようと逃げる。ひたすら逃げる。逃げた結果津波が来なかったら幸運と思う。そう思わないといずれ大きな被害が生まれてしまうんですね……。




週末の記事で書こうと思っていますが、やっぱり今回の地震津波は専門家の想像をも上回っていたんだなぁ。俺も、可能性としてはあるけれど生きているあいだに遭遇する可能性は0に限りなく近いと思っていましたからねぇ。


著者もなんともやりきれない気持ちでいっぱいだと思います。しかし、酷なようですが、それでも心を鬼にして研究を続けてくれるととてもありがたいです。犠牲者は決して0にはならない。しかし減らすことはできる。防災学というのはそう言う学問なんでしょう。しかし、被災者にとっての死は1分の1。確率論で語れるようなものではありません。そんなことはきっと誰にでもわかること。でも、それを乗り越える強いこころで研究をする人がいなければ犠牲者0という世界は決して実現しないはずです。