読書感想文 谷川流著『涼宮ハルヒの驚愕』前・後



昨日買ってきてさっき読み終わりました。『涼宮ハルヒの分裂』から読み始めたので時間がかかったなぁ。




涼宮ハルヒの分裂』の感想を書いたのは2007/4/9。4年以上経っているんですねぇ。あの頃は若かったというかなんというか(笑)。
読み終わって思ったこと。なんというか、微妙な言葉ではあるんですが、「普通だ」と思ったんですねぇ。
分裂の感想で書いたことはある意味では外れていたと、そういうことですね。
ただ、ハルヒの力の源がどこにあるのか、というのを作中人物の気持ちではなくて読者の気持ちになって、つまりは素の状態で想像すると、やっぱキョンだとしか思えないですよね。『涼宮ハルヒの憂鬱』の感想文ではそれを否定したのですが、素直に読むとそう考えるのが妥当なのかなぁと思えます。佐々木の存在がねぇ。特にね。
どうもこのシリーズには推理小説的な香りを感じるので、ネタバレになる詳細を書くことははばかられますが、分裂から驚愕への流れはとても自然です。伏線もきちんと張られているし回収もされている。一読した限り論理的に破綻しているところはありません。そういうところが「普通だ」と思った理由です。『涼宮ハルヒの憂鬱』の原作を初めて読んだときに感じたやばいところはなかったんですねぇ。
作中では突拍子もないことが起こっていて、そのエピソードは面白かったです。『涼宮ハルヒの驚愕』単品、いや分裂からつながった作品として読んでみたとすると、ものすごく面白い小説なんですよね。
しかし、どうも読者として贅沢になってしまって……(笑)。「涼宮ハルヒシリーズ」には、過剰な物や足りない物をもっともっと求めてしまいます。




ただ、そんな中で意外だったのは、続編の余地を残した終わり方であったと言うことです。続編が描かれるのかどうかはわかりませんが、もし読めるのならそれはとてもありがたいことです。
設定的には主要登場人物は今高校2年生。物語を作るには一番おいしい時間帯を生きています。SOS団のおかしな面々が紡ぎ出すストーリーを原作でももっと読みたいですね。