読書感想文 桜庭一樹著『GOSICK-ゴシック-』シリーズタイトルの意味

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)

アニメにもなったらしいですがそっちは見ていません。純粋に推理小説として読んでみました。
面白かった。
このシリーズ全部読んでみます。




舞台は第一次世界大戦第二次世界大戦の間のヨーロッパ。日本人留学生久城一弥と謎の天才少女ヴィクトリカ、そしてブロワ刑事と一弥の同級生アブリルがシリーズ共通の登場人物と言った所でしょうか?たぶん。
煽りによると「ダークでキュート」と言う事ですが、それほどダークさは感じませんでしたねぇ。そもそもこのダークという言葉のとらえ方が俺は他の人と違うのかも知れませんが……。もっとブラックな結末を想像していた物で……。
話自体はもろに推理小説です。謎があってそれを解決する。それがメイン。その謎に探偵役のヴィクトリカとワトスン役の一弥が巻き込まれるのはお約束と言う事で(笑)。
「キュート」という面では、ホームズ役が女の子ってところですかねぇ。それが今風。そういえばワトスンって作中で依頼人と結婚したんですよね。ホームズが女性という設定だったらなんかそんな展開になったんでしょうか?


なんかでどなたかが書いていましたが、もう現代社会を舞台にした推理小説は書く事が難しいのかも知れないですねぇ。この話だって上記の時代背景でないとなかなかねぇ。謎の真実味が無くなってしまうんだよな。真実味と言っても結局はフィクションなんだけれど、推理小説の場合それがないとねぇ。既に構築されている強固なフィクション世界があれば別ですけれどね。


このシリーズのタイトル、『ゴシック』って、「ゴシップ」と「トリック」の合成語かなぁ。ちょっとしたうわさ話の中に隠された謎を解き明かしていくという趣旨なのかなぁ。
続編を読めばそのあたりはわかってくると思いますが。