便利な道具を使うと人はダメになる

システム開発業界にいる人たちには笑われると思うんですが、今までおれ、バージョン管理ツールって使ったこと無かったんですよ。
今回Subversionっていうツールと、そのWindowsクライアントアプリのTortoiseSVNってのを使うことになって最初はかなり戸惑ったのですが………


仕掛かり中のコードをバージョンアップする必要もないし、バージョン間の相違をコメントで記述する必要もないんですからねぇ。うっかり古いファイルで上書きしちゃう事故も防げるし。
これ、開発だけじゃなくてドキュメント管理にもものすごい威力があるんですねぇ。


恐ろしい事に使い慣れてきたらもう元には戻れなくなっているという(笑)。




プログラマーとなって当時の先輩に口酸っぱく言われたのは「特定のツールに頼るな」ということです。当時も今も環境はお客様によって千差万別、中には好きにやらせてくれるところもありますが、そうではない所の方が経験上多いのですよね。その時に「これがないと仕事ができない!」とは言えないのですよね。
ところが、便利ツールを使い慣れちゃうと、それがおろそかになってしまいます。特にそれが対価なしに手に入るツールだったりすると、それがあるのが当たり前とか思いがちです。
初めてのOS、初めてのテキストエディタ、初めての言語でもなんとかできる柔軟性を持っている事を求められるプロジェクトだってあるんですよね。って、普通あるのかなぁ。おれはどういうわけかそういう仕事が多かったんですよねぇ。なので普通にあると思ってしまいます。
自分好みの準備が出来ている環境がないと仕事ができない体にならないよう意識していても、一度便利な物に慣れると戻るのはなかなか大変なんですよねぇ。そのツールに触れるまで普通にやっていた事が出来なくなってしまう。言い換えるとダメになってしまうんですよね。




こういう話って別にシステム開発業界に関わらないと思いますね。
話を大きくすると、マッチやライターで火を簡単に手に入れられるようになったから、もっと原始的な方法で火を起こすことは無くなりました。
よく言われるように、自家用車が普及して歩く事が少なくなりました。インターネットが普及して記憶する事が少なくなりました(これは俺だけかな?)。


便利な物に慣れてしまうと人はだんだんとダメになって行くんでしょうねぇ。