第98話 伏線だらけの最終回

上にも書いたけれど今日最寄りの大きな街、松戸に行って来たんです。そしたら道すがら普通の古本屋があったんです。普通のというのは本の見た目ではなく内容、需給を加味して値段を決める古本屋のことです。
漫画主体のようで、高値で買い取る漫画の一覧が貼り出されていました。ありましたよ。ハヤテも。とにかく需給状況はいいみたいですね。まだ10巻行っていないから当たり前なんでしょうけれど。その店では1冊\150で買い取ってくれるらしい。売る気はないけどね。こういうやつが多いから需給が…。ブックオフいつ行っても無いし、たまにあっても1巻の1刷りは無いし…。こないだ友達と飲みながら話したけれど、ブックオフっていい店なんですよ。物の価値と値段がリンクしていないんで、とんでもないお宝がとんでもなく安い値段で手にはいることがあります。
あと、上の方で終了XDay予想投票の結果を発表しているのでよろしければ見てください。
あと、某掲示板の某スレで読んだり書いたりしているのですが、先週から今週にかけては物語的なお話が多くて「うんうん、そういう考え方もあるのか」とか「そりゃないって」とか「そうそう、たぶんそうなる」とかいろいろ楽しめました。あそこを読んでほくそ笑んでいる作者がいたりしてねー(笑)。それはそうと、昨日の猫の名前はかなり和めたな。つーか、いったいあのスレはなに?スレ違い多いし、誤爆多いし、誤爆あってもスレにとけ込むし。だが、それがいい


そんなどうでもいいことを永遠に書いていたくなるような第98話の感想です。


真正面から来ましたねぇ。いや。びっくり。落としてくるかと思ったんですが思いっきり物語が進んだように見えました。それは誤解だったんだけど。落ちはあるけどこんな軽い落ちだとは思わなかった。外野から見ると「これで本当に大丈夫なの?整合性取れるの?」と思うくらいです。
ヒナギクさんがヒロインだったら最終回にしてもおかしくはない展開です。見開き以降がクライマックスでその後抱き合って…でハッピーエンドでしょう。確認したけれど今週もいつもと同じ16ページなんですね。もっと長いような錯覚を覚えました。
毎週数百人の人が楽しみに、しているかはどうかはともかく読みには来てくれているので書かなきゃいかんかな。今週の話なんかは感想を自分の胸にしまっておきたいね。


順番入れ替えて、ポイント→人間関係→一コマにします

ポイント

扉絵省略

66話(7巻3話)「St.Valentine's Day SIDE:CLASSMATE"Shining☆Days"」*1以来だと思います。本編とは関係ない絵を扉絵に持ってくる傾向が強いと見ていますが今回は入りきらなかったんでしょうね。それも長く感じた一因だろうな。

邪魔をしない

たぶん担当編集さんが考えているであろう無茶なすてきな煽り文句。毎週毎週よく考える物です。今回は欄外と柱だけでサブタイトルには絡めませんでした。これが最終回ならば煽りはいくらでもあるんだろうけれどねぇ。本編の邪魔をしないという配慮があるように感じました。

見開き

見開きってたぶんこの漫画では初めてですよね。なぜか俺の脳内ではクリスタルキングの『大都会』が流れました。

伏線

見開きを見る前は、こういう展開だとは思ってませんでした。コミックスなどで触れられている桂姉妹の過去話をいずれどこかで発表するための伏線を張りまくりです。特に誕生日のプレゼントの件はいろいろありそうです。後付けだろうけれどあれはそういう設定なんだろうなと勝手に思いました。そんな設定ないかもしれないし、あっても後付けじゃないかもしれないですけど。
回想の絵、まさかもう既に描いてあるんじゃないでしょうね??そんなことはさすがにないだろうな。

高所恐怖症

治ると整合性がとれなくなるので当然といえば当然なんですけど、もし物語の途中で治るという設定なら、ここで治さないでどうする!と突っ込みたくなる場面です(笑)。
しかし、ヒナギクさんが高所恐怖症って言う設定は、まさにこの場面のために用意されていたように見えます。
「側にあったのに…怖くて見れなかった」
うわーやっぱ最終回クライマックスだよなぁ。
「次で抱きしめてキス」
っていうカンペが出ているのが見える(笑)。
なんで来週に続くんだろう??
やっぱ構成をしくじってるのかなぁ。そう思いたくなるよ。そう思った方が自然だなぁ。この場面のための設定だったのに、ゴールデンウイークまで治っていないってことをうっかり書いちゃったもんでやむなく治らないようにしたと思いたい。でも、塔の生徒会室を決戦の場に選んだときにはここまで話ができていたんだろうし…。わからん。

深まった謎

一度問答無用でぶった切って整合性を保ちに来たなと思ったのに復活してしまいました。西沢歩さんとヒナギクさんがなぜああいう関係になるのか!おそらくヒナギクさんが西沢さんに勉強を教えた時に交わされた会話が鍵になって来るとは思うんですけれど…。それなら確かに整合性は保てるな。うんうん。と勝手に納得してみた。
もしそれが当たっていたら、西沢さん切なすぎるし、そして強すぎる。この漫画最強キャラは西沢さんになっちまうんじゃないか?

伏線は回収された、しかし

という4つの伏線が回収されました。物語が進んだなぁと思ったんですが、どうもそれは誤解のようです。何も変わっちゃいない。ここでヒナギクさんの初期設定が完了しただけのように見えます。



人間関係アップデート

ヒナギクさんの気持ちが変わったかのように見えますが実は何も変わっていません。だって、読者から見ればずっと前からバレバレだったわけですからね。そしてハヤテ君にもその気持ちは全く伝わっていません。仲直りできたかな程度に思っています。ひどい主人公です。
今回重要なのはマリアさんです。初期値を設定しました。マリアさんは「ヒナギクさん→ハヤテ君」という恋愛感情が発生することはありえないと「今は」思っています。しかし、「ハヤテ君→ヒナギクさん」の恋愛感情とは至らないまでも憧れ的な気持ちは知っていたわけです。これはやっかいだ。
ナギちゃんは「ヒナギクさん→ハヤテ君」という関係が生まれることを敏感に察知して警戒していますが、サポートするマリアさんが気づいていないと言うのはまずいでしょうね。いろいろ面白いことが起こる初期設定だと思いますよ。
また、ポイントでも触れましたが、ヒナギクさんと西沢歩さんとの関係に今後注意が必要です。このイベントでヒナギクさん本人が自分の気持ちに気づいてしまったので、この二人の関係は今後変化が起こるはずです。このエピソードでは何一つ解決していないです。むしろ今まで以上にややこしくなりました。ヒナギクさんはどういう行動に出てくるのか?
そう考えると「アーたん」をあのタイミングで描いたことの意義が出てくる。あのエピソードは報われない西沢歩さんが少しだけ救済されるイベントだったけれど、それ以上に「アーたんによる抑止力」を読者に知らせておくという狙いがあったように思えます。



今週の一コマ

ここが難航しました。いっそ今週はやめようかなと思いました。
笑顔



先週アップロードしたヒナギクさん10面相という記事を参照するとわかりやすいと思います。絵が下手だとか言われているけれど、畑健二郎さんは表情を描くのがものすごくうまいのかもしれないと思い始めています。これは表情だけで感情を表しているギャルゲーの影響が強いからかもしれない。
ストーリーを追っているので、それにだまされているのかもしれないけれど、今週のこの絵はこの物語で初めて見せたヒナギクさんの素の笑顔じゃないかと思うんですよ。気取っていない、作っていない笑顔。たまにナギちゃんやハヤテ君が見せて、ついこないだ咲夜ちゃんが見せてかわいいと評判だったのと同じ種類の笑顔。このイベントはこの笑顔のために存在していた、そんな感じ。


話は飛びますが、9巻に収録されるであろうマリアさんのお話。あれを作者が「リトマス試験紙」と呼んでいた意味がこれでわかったような気がします。その話は覚えていれば9巻発売の時にでも書こうかな。12月か…忘れるんだろうなぁ(笑)。



まとめ

ここまで来てようやく確信が持てました。ヒナ祭り祭りにハヤテ君の女装エピソードを加えて複雑にしたのは、ナギちゃんがヒロインの座から滑り落ちないようにするためでしょう。作者からのメッセージが何もないと仮定して今回の話が来たら、日頃妄想をたくましくしている俺ですら「ヒロインは交代した模様」と書くと思います。
それと同時に、「今までここに書いてきた妄想は忘れてください。人気がある漫画にはなるかもしれませんが、世界を変えるような作品にはならない可能性が高いです。」と書いていたと思いますね。
「世界を変える作品」なんて存在しない、そもそもそれっていったい何が言いたいのかわからんといわれりゃそれまでなんですけどね。俺自身それがどういうことなのかわかってないし。
ヒナギクさんのファンには申し訳ないけれど、この話、ナギちゃんがメインヒロインでなければいけない話だと思っているんですよ。そうしないとただのラブコメになってしまう。ナギちゃんがヒロインってだけでもそうとうややこしいのに、さらにマリアさんもヒロインらしいのでもうどうにもならないややこしさ。そこにハム・ヒナが絡んでくるだけでも食いきれないところに、これでもかこれでもかと他の要素も入れてくる。で、どうやらそれを全て作中で処理しようとしている節がある。それがこの漫画の持つ恐ろしさの一つなんだろうな。


作者本人が語るかどうかわかりませんが、この話は用意された暫定最終回ではないと思います。俺は暫定最終回はあくまでもナギかマリアがメインになる話だと思っています。前にも書いたけれどアニメ向けの最終回用エピソードなんじゃないですかね。で、アニメの最終回がこの話になったら見た人は絶対誤解する。ヒロインはヒナギクさんだと。だから早すぎるアニメ化は良くないと思っているんだよなぁ。制作側も覚悟を持って望めば大化けする物語なんだから。今の世の中の仕組みで覚悟を持って望むことは無理なんだろうけれど(笑)。


余談ですけれど、今日の別記事で書いたように、フリーソフトではあるけれどギャルゲーと呼ばれているらしいゲームを一つやってみました。そこで思ったのは、少女の心理を描くという傾向はそれからきているんだろうなということです。
同じ種類の他のゲーム、特に商業ベースに乗っている物をやったことないので誤解かもしれないですけれど、こういうゲームはプレイする人の心理状況をゲームの選択肢に反映させる物だと思っていたので意外でした。プリンセスメーカーはそうだったので…。
このシステムを知っていると、物語の終了日を事前に決めておくってのは自然に出てくる発想ですね。そして、登場する女の子がこぞって主人公を好きなるという設定も理解できた。でも、別の要素で「ハヤテのごとく!がギャルゲーをテンプレートにしてできている」ってのには同意できなくなった。
少なくとも俺がやった『しぇいむ☆おん』というゲームは、ある日付が来たらそれぞれ別のシナリオに分岐しちゃうんですよ。それぞれのシナリオにはあまり関連性がない。あるシナリオでは起こるイベントが別のシナリオでは起こらないんですよね。
今までハヤテのごとく!という漫画を読んだ限りでは、それと反対のことをやろうとしているように見えてなりません。一見別のシナリオに見える話が、相互に影響を与えつつ関連性を深めていき、最後に「これしかない」というところに収束する物語です。これは俺の妄想で、万一作者の目に触れたらプレッシャーになるかもしれないんですけれど、おそらく畑健二郎さんが用意している「トゥルーエンド」は、全ての、といったら言い過ぎか、主要な登場人物にとってそれぞれの「ハッピーエンド」になると思ってるんですよ。あくまでも「登場人物にとってのハッピーエンド」で「読者にとってのハッピーエンド」では無いところに注意が必要ですけれど。
ハヤテのごとく!という物語の行き着く先を予想するときにはXXエンドという言葉から離れることはできないと思いますが、例えばナギエンドだと西沢歩さんは満たされない思いを抱えるとか、そういうことは無いんじゃないかと予想しています。だからこそ「唯一のトゥルーエンド」と表現しているんじゃないかと思っています。
予想投票結果で書いたことと思いっきりかぶりますが、こういう事が書けるのは、作者が読者の反応を見て中核部分を修正することはありえないという信頼があるからです。もし、自分の考えで物語が変わってしまうおそれがあると思っていたらとてもこういう事は書けませんよ。他の作品でも展開予想していますけれど、『ハヤテのごとく!』という作品、『畑健二郎』という作者のことを特に信頼しているからひどい妄想をだだ漏りさせても大丈夫なんじゃないかなと思って書いています。他の作品の予想では誰もが思いつくようなことしか書いてないでしょう?えっ、それでもずれているって??


最後に、素朴な疑問を一つだけ。
普通に考えりゃ、98話のエピソードを100話に持ってくるように組み立てるんじゃないかな?ページ増は無いかもしれないけれど、読者は、特にヒナギクさんのファンは喜ぶと思うんだけど。ここでいったん切れただけに99話、100話でどういうことになるのか予想つきません。時系列で行けば学年末試験の話なんだけど、地味じゃないのかなぁ。
ああ、ナギの漫画か。でもあれは「100話超えたら」だからリスク侵して100話でやる必要はないんだよね。


水曜日の感想は他のサイトやら掲示板やらバックステージやらを読まないで書いています。ストレスがたまります(笑)。
とりあえずこんなところで。明日に続く。かな?


追記:とりあえず大きな読み落としをしていたことがわかりました。前後につられて流してしまった。明日まで覚えていられるか?




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