106話 ついに警察が介入!
警察動くべきですよ。この犯罪集団とんでもないですよ。何平気で銃を振り回してるんですか。あのバラだって銃刀法違反。こんなの野放しにしていたら落ち着いて強盗もできやしません。
立てこもる場所を間違えたかわいそうな強盗犯、意外と活躍しましたね。船を乗っ取った連中や例の懲りない誘拐魔よりは少し運が良かったのかも。この漫画に出てくる犯罪者の中で一番運がいいのは、誘拐しようとしたのにその人の執事に納まった少年であるのは言うまでもありませんけれど。
非常識な行動とドタバタコメディ、さらには言葉のすれ違いというギャグの王道を行っているかのように見えて、この漫画の行く末を暗示するような言葉をこっそり入れ込んでいる106話の感想です。
と、その前に…2006/11/18〜2006/11/27までの10日間、一年前に書いた文章を振り返って1000文字以内にまとめた物をアップロードしてみました。読んでどう思うかは読んだ方にお任せします。
では、ここから本当に感想。
ポイント
ナギが…
久しぶりにナギ不在の一話。まだ桂姉妹の話にはからみづらいよなぁ。たぶんそのうち自然に絡めるようになるんじゃないかな?
サブタイトル
「XXに費やしたお金でYYが買えたかも」っていうのは誰もが一つや二つ持っている心の闇だと思います。「飲み屋で費やしたお金でGT-Rが買えたかも」とか…。いえ、これは架空の話です。本当です。ねっ、XXさん。俺はせいぜい……。計算して絶望した。今乗っている車余裕で買えてるよ。おい。20年という歳月をバカにしてはいけない。
扉絵
なーんかかっこいいじゃないですか。まるでいい人みたい。
子供好き
二人とも子供が好きなんだなぁ。これって物語に絡んでくるのかなぁ。子供が好きな人興味ない人っていう色分けもされているんだなぁ。ヒムロとシスターって設定かぶり過ぎじゃないかとちょいと心配になる。
普通に逃げれているってことは、面白そうだったからいただけなんだ。
銃を気にしない人たち
こうなるとは思ってましたけどやっぱこうなるのね。どうでもいいけど今回はハヤテ君活躍しませんでしたね。お嬢さまがいないとだめなのか?
強盗犯はある意味レベルが高いメンバーによるレベルが低い争いに巻き込まれてしまってかわいそうです。
チャージ5万円
野方なのに銀座。
要領の悪い少年
なんのかんので結局払う羽目に。どうするのか。そして携帯は?
妹の説得
説得相手が違うってば。その相手なら別のことを説得しないと。
お金よりも大事なこと
今週最大のポイント。こういう言葉をこういう話に入れ込んでくるから怖い。
人間関係アップデート
リストアップした7人の関係は変わってないですね。
まとめ
まず、今週と関係ない話から。例の掲示板で「予定と伏線」っていう話が出ていました。ハヤテのごとく!という漫画でたくさん設定されているのは「予定」であって「伏線」は少ないって話。この言葉は便利なので使わさせて頂きます。
大きい伏線は三つかな。
これらは物語終盤にならないと出てこない様な気がします。
それに対して予定は
- 1.試験結果発表
- 2.ホワイトデー
- 3.春休みの旅行
- 4.ゴールデンウイークの旅行
- 5.マリアさんの誕生日
ここまでは確定。他にもあったかなぁ。すぐには思い出せない。なーんか変な物語ですよね。登場人物より先に読者が予定を知っているんだから…。
さて、ここから106話について。普通に考えればこの話これでオチて次週は何事も無かったかのように話が始まるんだけど、この漫画の場合は持ち越すことがあるんですよねぇ。
105話、106話でヒナギクさんの優先順位が見えました。雪路>>>>ハヤテ です。ハヤテ君のことを心配して現場まで来たはずなのに、姉に夢中ですっかり忘れているヒナギク…。この話で描きたかったのはそれなんじゃないかなと思ってます。
今のところハヤテ君はナギちゃんにとって「世界で一番大切な人」では無いのと同様、ヒナギクさんにとっても「世界で一番大切な人」とはなっていないということです。もちろんこの世界ってのは作中全体世界のこと、「ナギの世界」「ヒナギクの世界」とは別の意味の「世界」です。
もう一つ大事なのが、ポイントでも書いた「お金よりも大事なこと」。
これは「恋よりも大事なこと」と同様、この漫画の幹の一つだと思ってます。106話では、ヒナギクさんがかつて雪路からそういう言葉をかけられたけれど雪路の方は全く覚えていない、あるいはそういう意味で言ったわけではないということが描かれています*1。
この漫画は冒頭からお金お金言ってます。なーんか、すごーく違和感があるんですよ。『ナニワ金融道』みたいな漫画だったらいいんだけど、見た目萌え系でラブコメ要素がある漫画で「お金」連呼するのはねぇ。おかしい。
普通に考えれば、物語終盤に「お金」を取るか「愛」を取るかという金色夜叉的*2な選択があるってなるんですけれど、この漫画の場合そう簡単な図式にはならないんじゃないかなぁ。遺産問題もあるし、「使用人たちの夜」で示唆されている問題もあるし、マリアさんの秘密設定もあるし。
恋がかなうことが幸せなのか?という問題同様、お金があることが幸せなのか?という問題にもいずれ登場人物たちは向き合うことになるはずです。しかも、最後に選択するという感じではなく、流れの中で注意深く読まないとわからないくらい自然に解決すると思ってます。
私はね、妄想してたんですよ。
話が進んで何かが解決するんじゃなくて、登場人物が気づくだけなんじゃないかって。
そう、98話のヒナギクさんのように。
あそこであれ描くって事は違うのかなぁ。でも、この漫画全体がそういう思想に満ちている可能性もあるしなぁ。
繰り返しになってるけれど、やっぱりあの一件については触れておきたくなりますね。
106話は桂姉妹の過去話を読んだあとに読み返すと、また違った味わいが出てくると思います。そして、この漫画がいつの日か完結したあとには「ここでこんな話が出てきてたな」と思うことになるんでしょうね。
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