テレビアニメ『ハヤテのごとく!』の商品価値とパロディ

ここ何日かで書いた記事をいろいろなところで紹介していただいた時、「パロディを再現するか」というところに焦点を当てたニュースサイト管理人様のコメントが目につきました。
私も「パロディを再現するか」というところには注目しています。しかし、どうも世間一般からはずれた視点で注目しているようです。その点も含めて、今日は「テレビアニメ『ハヤテのごとく!』の商品価値」についての私の考えを書いてみます。


さて、まずはパロディからを離れてみましょう。ハヤテのごとく!という原作漫画が持っている特性について書いてみます。
おそらく現在の多くのファンが感じているように、この漫画は女の子いっぱいの「萌え漫画」です。お嬢さまがいて、超人メイドさんがいて、正義の味方の生徒会長がいて、普通の女の子がいて、和服少女がいて、関西弁少女がいて、怪力がいて、ドジメイドさんがいて、それぞれ個性を与えられた主人公の同級生がいる。どうみても属性を細分化してそれぞれにファンを付けようとしている漫画です。
もう一つ「ギャグ漫画」という一面があります。何でギャグ漫画だと思うのかと問われると答えに窮しますが…。
そして、最後に、私が言っているような「強烈な物語」としての一面があります。だんだんとその要素が表に出てきてはいますが、誰もがそうだと納得するには最低あと半年の連載が必要になると感じています。


さて、この『ハヤテのごとく!』という漫画には、上記の要素とは相容れないであろう意外な要素が隠れています。
それは「説教臭さ」です。
ものすごく説教臭い。まるで学校の先生や親に言われるような正論がさらりと書いてある。なのに説教臭く見えないんですよね。とても不思議な漫画です。一般的には登場人物が既存の価値観に照らすとむちゃくちゃなことをする漫画の方が面白いと思うんですよね。スポーツ漫画では試験勉強の場面は挿話的に描かれることがあってもそれが大きなエピソードになることはあまり見た覚えがありません。ラブコメでも同様。でも『ハヤテのごとく!』では違う。試験勉強が恋愛よりも大きな意味を持つ瞬間というのが描かれていたりします*1。しかも、何か特殊な勉強法を編み出したりするのではなく、普通に勉強している。
どう読んでもPTAウケが悪い漫画のように見えるのに、良く読むと突っ込みどころが少ないです。普通こういう毒がない漫画は面白くないんですけれど、この漫画の場合はなぜか面白い。それがなぜなのかわからないですけれど。
人によってはこの漫画を「不登校の児童生徒を立ち直らさせる漫画だ」などと曲解するかもしれませんね。私はそうは思っていませんが、それはそれで一つの読み方なので否定することはできないです。
この漫画、意外に一般ウケがいいと思うんですよ。


次にパロディの話。パロディと言うより引用と言った方がいいかもしれませんね。この漫画では、他の漫画、アニメ、ゲームを出展とする場面や言葉が多用されています。私はそこに商品価値を見いだしてしまいます。
前述したように、この漫画自体意外と一般ウケがいい。もしいわゆる「オタク」でない人がアニメを見て気に入って、自分が知らない漫画、アニメ、ゲームの話が出てきたらどう思うか?ほとんどの人はスルーするはずですが、ごく一部食いつく人がいると思うんですよ。それが詳細に解説されたりしたら興味を持ってしまう人が少なからずいる。
やり方によっては『ハヤテのごとく!』って漫画がアニメ化されることによって、その作品、その出版社、その放送局にとどまらない需要を創出することも可能になると考えています。特に深夜放送ではなく、比較的多くの「一般人」が見る時間帯に放送された場合それは顕著な物になると思います。


誇大妄想ですか?
でもね、私自身がね…。
この漫画読むまでは「ひぐらし」はともかくとして「ハルヒ」も、さらには「ネギま!」でさえ、存在することすら知らなかったわけですから…。いわゆるベストセラー的な物だけを一気に読んで泣いたりしている中に、こういう作品に触れて腰抜かす人がいるかもしれません。私は腰は大丈夫でしたけれど読んでみて驚きましたから。オタク向けコンテンツを毛嫌いするばかりでなくなめていました…。
こういう作品を好むのはオタクだけだと思われる方が多いと思いますが、もし仮にそうだとしても潜在的なオタクは多いのですよ。鉄道とかわかりやすい方向ではなく、車だって、時計だって、音楽だって、はまってしまう人はみんなオタク体質です。私も…。


そういう方向に走った場合には、2006/1/8に指摘した漫画ファンとアニメファンの対立以上に深刻な反目が起こるでしょうね。「オタク」と「オタクと言われたくないオタク」との間に…。そうなっても何とかなるのではないかと推測しておりますが、それはまた別の機会に書くことにします。




ここからは妄想。
放送時間やキー局のバレが出ていますが、それはまだ信用しないことにしてみます。で、もし、深夜ではなく、かつパロディを前面に押し出すようなシナリオにした場合どうなるかを妄想してみます。
パロディを使った放送では、終了後に解説をするですよ。イメージ的には神父を使うのが一番。初っぱなから出ていないから話としてはおかしいけれど、そこはギャグで流せる。「あなたはいったいなんなんですか?」「毎週見ている人は知っているから説明はいらない」とか。
解説といいつつ実は宣伝という形にして許可を得る。それをよしとしない版元の物は使えないですが…。それ以前に小学館がOKしないような気もする(w


も一つの昨日ちょろっと書いた話は水曜日にすることにしました。専用ブラウザだとうっかり見てしまう可能性が高まるなぁ…。使うのやめようかなぁ…。


今日の記事の元ネタ
2006/3/17
2006/1/14
アニメ化関連記事
2006/1/8 アニメ化に期待すること、心配なこと
2006/1/10 TVアニメのシリーズ構成を考えてみる
2006/1/11 アニメの構成についての追記 逆ハルヒパターン?


焼き直し記事だけど意外と面倒だった…。

*1:9巻参照