テレビアニメを見て『ハヤテのごとく!』に興味を持ったみなさまへ

ようこそ!
などと書くと「古参ぶりやがって」と反発をされそうです。それはともかくとして、テレビアニメをきっかけにして『ハヤテのごとく!』という漫画を手に取る方が増えると思います。今日は、原作を読むべきか迷っている皆様のために極力手短にこの漫画を紹介します。


まずは登場人物。メインは三人です。主人公(時々メインヒロイン)の綾崎ハヤテ(16才)。彼は1億5千万円の借金を親に押しつけられています。メインヒロインその1が三千院ナギ(13才)。大金持ちのお嬢さまです。いろいろあって、ハヤテ君の借金はナギから借りていることになっています。メインヒロインその2がマリアさん(17才)。ナギにお付きのメイドさんですがその実態は…。予想はついていますが作中では秘密なので伏せておきます。
ナギはちょっとした言葉の行き違いをきっかけにハヤテに恋をしています。また、ハヤテ、ナギ、マリアさんはそれぞれが互いに「恩人」になるエピソードをこなしています。さらに借金問題もあり、3人は固い絆で結ばれつつあります。


この3人の脇を固める主要キャラを紹介します。まず鷺ノ宮伊澄(13才)、愛沢咲夜(13才)。この二人はナギの友だちです。咲夜はナギの親戚でもあります。続いて橘ワタル(13才)。ワタルは没落した金持ちの跡継ぎでビデオ屋を切り盛りしています。ナギの許嫁でもあります。
ナギ、伊澄、咲夜、ワタルは全員13才です。
16才グループもあります。まずは西沢歩(16才)。ハヤテに恋をしている「普通の少女」です。どうやら初恋らしいです。登場して7ページで告白し、そこから2ページで振られました。なのに今は頻繁に登場するキャラクターになっています。5巻でナギと初めて顔を合わせた時に、背後にハムスターが描かれたことから、ファンからは「ハムスター」あるいは「ハム」とも呼ばれています。そして桂ヒナギク(初登場時15才)。作中で16才の誕生日を迎えた文武両道才色兼備の生徒会長。良家で育てられていますが、子供の頃ハヤテ同様借金を抱えて親から捨てられた過去があります。ファンからは圧倒的な人気を得ています。
16才グループはこの2人の少女とハヤテ、さらには一つ年上ですがマリアさんも含めて考えた方が良いと思います。
他にも多数の登場人物がいますが、紹介しているときりがないので記事末尾でリンクをしたWikipedia ハヤテのごとく!の登場人物をご覧下さい。


この漫画では他の漫画やアニメ、ゲームを題材とした細かいパロディが多用されています。アニメでどの程度再現されるかはわかりませんから、アニメと同じような雰囲気を期待して原作を読んだ時には強烈な印象を持つかもしれませんね。パロディの元ネタ解説はすばらしいサイトがあるのでこちらも最後に紹介します。


おそらくこの作品は「ラブコメ」として紹介されることが多いと思います。しかし普通のラブコメとはちょっと違います。13才と16才との間に壁があるのです。ナギはハヤテに恋をしています。しかし、ハヤテはナギを女として見ていない、子供として見ています。もう一人のヒロイン、マリアさんとハヤテの間には年齢の壁はないですが、マリアさんはナギを守り導く立場です。マリアさんはできることならナギの恋をかなえてあげたいと思っています。しかしそれが難しいことも知っています。仮にハヤテがマリアさんに恋をしても、マリアさんがナギを守っている間は何も起こりえない仕掛けになっています。
現在、作中でのラブコメ展開は16才グループ内がメインになっています。16才グループには恋する少女西沢歩と完璧超人桂ヒナギクがいる。この2人の女の子を巡るラブコメでも十分楽しめるのです。しかし、『ハヤテのごとく!』のメインヒロインはナギとマリアさんだと作者は口酸っぱく語っています。つまり16才の二人はメインヒロインにはなりえません。どんなに読者がヒロイン交代を嘆願してもきっと聞き入れてはもらえないでしょう。
ブコメという切り口だけでみてもそういう変な漫画なんです。


この漫画にはラブコメ以外にもいろいろな要素やストーリーちりばめられています。萌え要素、ギャグ要素、バトル要素も微妙にあるし学園コメディちっくなところもある。ストーリーでは、大金持ちの遺産を巡る争い、借金返済の過程、復讐、成り上がり物語などなど。妙に説教臭い設定もあるし、少女漫画なのではないかと思えるようなエピソードもあります。少女たちの心理描写には作者は相当こだわっているように見えます。ややこしいと思います。実際ややこしいです。とりあえず思いついた設定を全て取り入れただけに見えます。
しかし、それらの要素はそれぞれが他の要素の制約やきっかけになるという形で密接に絡み合っています。


そして、この漫画はエンディングが決まっている物語です。
さらに、この漫画はある日付を持って終わることもわかっています。


とにかく変な漫画です。読む人によって全く違うとらえ方をされる漫画です。紹介することも、感想を書くことも難しい。熱烈なファン同士が会話をしても同じ漫画の話題なのに全くかみ合わないことすらあるかもしれません。『ハヤテのごとく!』はそんな漫画です。
私は、この漫画を一言で言い表すために「スーパーハイブリッドコミック」という言葉を作りました。その言葉を思いつくのに1年半かかりました。そこに至る過程やら、もっともらしい説明やら、そこから導かれる恐ろしい話なども前に書きました。しかし、一応リンクは末尾に貼りましたけれど、それらの記事はこの漫画が好きになった後で気が向いたら読んで下されば十分。
今言えることはとにかく手短に説明するのに新しい言葉が必要、そんな変な漫画ということです。で、その新しい言葉が「スーパーハイブリッドコミック」ということだけです。


最後にお薦めの読み方をご紹介します。
まず3巻まで読んでみて下さい。3巻までしか買わない方がいいかもしれません。そこで何かを感じてしまう人もいるかもしれません。そういう人は私の仲間です。泥沼が待っています。
泥沼にはまった人もはまらなかった人も、しばらく時間をおいてから4巻以降を読んでみて下さい。3巻の最後の話は引きになっているのでつらいとは思いますが、間を空けた方が面白く読めると思います。
種明かしすると4巻1話でこの漫画はあっけなく最終回を迎えます。4巻2話からは別の漫画です。そう考えた方が読みやすいです。
この漫画をラブコメだと思って読み始めた人にとっては7巻までは退屈な展開だと思いますがちょっとだけ我慢して下さい。7巻から11巻あたりは西沢さんとヒナギクさんを中心とするラブコメがいやというほど読めます。そして最終回もあります。でも何事もなかったように翌週全然違う話が描かれます。
出版されている所まで全部読んだら、改めて1巻から3巻を読んでみて下さい。そうすると、どういう漫画かわからなくなると思うんですよ。それがこの漫画の魅力です。決してわかりやすい簡単な漫画ではないですが、だからこそはまると深いです。
いろいろな要素がちりばめられ、いくつもの物語が同時に進んでいく。
それが「スーパーハイブリッドコミック『ハヤテのごとく!』」です。




このサイト外の関連記事
Wikipedia ハヤテのごとく!
Wikipedia ハヤテのごとく!の登場人物
ハヤテのごとく!カレンダー パロディの元ネタ解説はこちらです
ハヤテのごとく!スレ保管庫 2ちゃんねるへの過去の書き込みです。読者の生の声が蓄積されています。
Webサンデー バックステージ 畑 健二郎 作者が毎週自作を語っています。あとがきのようなものです。この漫画を読み解こうと思った方には必読です。


このサイト内の関連記事
初めて読む方への推薦状 あまり漫画を読まない人のためにラブコメ展開で描かれる少女の心理描写を中心に紹介した記事です。8巻4話を題材にしてます。


以下の記事は長文です。またこの漫画を既に読んでいる方を対象としています。
スーパーハイブリッドコミック『ハヤテのごとく!』(暫定版) この言葉を思いついたその日に書いた記事です。この言葉で、比喩ではなく私の世界は変わりました。
『ハヤテのごとく!』が拓く物語の新千年紀 「スーパーハイブリッド構造」とは何か?「スーパーハイブリッドコミック」という言葉を思いついてから一ヶ月寝かせてから書きました。この言葉の持つ意味を、短く、かつわかりやすく説明しようと試みました。そしてこの漫画が切り開く未来も予想してみました。作者が作っているらしいエクセルファイルも想定フォーマットもここにあります。


トゥルーエンド 2005年の秋にこの漫画がどういう漫画なのかを考えた結果です。10日に分けてアップロードしましたが、この日の記事だけでアウトラインはつかめるはず。この日の結論は正しいと今なら言える。ただし長いです。
勝利宣言 予想が当たって浮かれて書いた記事です。
XDay予想投票結果 このサイトの読者と私による物語終了日予想投票です。
西沢歩 「普通少女」の存在意義 私がこの漫画を読むきっかけを与えてくれた登場人物、西沢歩にスポットを当てました。


ハヤテのごとく!リンク集のリンク集 感想サイトへのリンク集を集めたリンク集です






とまぁこんな感じで書いてみました。今日の記事をめちゃめちゃライトな紹介だと思う俺はもう駄目なのでしょうか?
読み方をもっと前面に押し出した方がいいかもしれない。っていうか別記事にしてもいいかも。同じ事を3回くらい読んでいるような気がする人もいるのでは。3回くらい書いた様な気がするからそれはあたりまえ。ここで2回目某所で1回。
それは次回の課題と言うことで。長文にはならないしね。
この読み方ははまると思うよ。実際俺はこれではまったんだし。この読み方している人が多いような気がする。某所で紹介された某出演者もこの読み方をしているっぽい書き方だった。


じゃ、寝ます。おやすみなさい。