江畑謙介著『情報と国家』これもまた現代人必読の書

情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴 (講談社現代新書)

情報と国家―収集・分析・評価の落とし穴 (講談社現代新書)

すごい本。どのくらいすごいかというと感想が書けない。とにかく読め。読めばすごさがわかるとしか言いようがない。
江畑謙介氏ですから軍事関係の話ではあります。しかし、それはディティールに過ぎません。アウトラインを見ましょう。ものすごく応用範囲が広い話です。企業経営にも役に立つでしょう。仕事の進め方の参考にもなるでしょう。こうやってネットで何かを書こうとする時に立ち止まってこの本に書かれていたことを思い出すこともあるでしょう。そういう本です。
この本の内容を丸飲みにしてしまうのはおそらく著者の本意では無いと思います。この本も情報の一つ。自分にとって都合のいいことも悪いことも書いてあります。
結びの言葉から引用します。

客観とは、「私利私欲を離れる」と同じと考えて良い。

それがどんなに難しいことなのか恐らく人間は本能的に知っているし数々の歴史も物語っています。しかし、例えそれができなかったにしても、それを意識しているのと意識していないのとでは雲泥の差があると考えます。
この本を読んで「情報」という物がどういう物なのかを自分なりに受け止めれば、例え何らかの情報に踊らされてしまってもその自分をある程度客観的に見ることができるようになるのではないでしょうか?
成功体験書、自己啓発書、自分を高めるためと銘打ったいろいろな本が世の中にはあふれています。そういう本を読む前にまずこの本を読みましょう。


この本が\1000でおつりが来る値段で売られているこの国はすばらしい。