「スタバではグランデを買え!」は嘘

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

ちゃんと読んでいない本のタイトルだけに突っ込んでいるので「読書感想文」タグはつけません。


とはいっても本屋でさらっと立ち読みはしてみました。私の読解が正しいのならおおよそ思った通りの内容でした。こういう本が売れるってのを見ていると、やっぱり売れるかどうかは内容よりもタイトル、それも誰もがわかりやすいような軽いタイトルなのかなぁと思いますね。ネットで話題になる記事と一緒です。
それはともかくとして、このタイトルには2カ所突っ込みどころがあります。

  • 1.嗜好性の高い商品には経済観念は通用しない

例えばたばこ。私はたばこだったらなんでもいいと思っています。しかしそうではない人もいる。ある友だちは「峰」が無くなったらたばこをやめると言い切っています。
コーヒーにも似たような面があります。私はスターバックスに行ったら90%以上の確率で「アイスダブルトールラテ」を頼みます。スターバックスという店でコーヒーを買いたいのではなく、スターバックスのアイスダブルトールラテが飲みたいのです。他の似たようなコーヒーショップでも飲んだことがありますが、味が違うんですよ。どこがどう違うのかっていうことはうまく説明できないですが違う。もっというと同じスターバックスでも店やタイミングによって味が違います。あの飲み物のポイントは苦さと甘さのバランスだと思っているのですが、それが崩れていることがある。その崩れ方がスタバの場合は許容範囲ですが他のコーヒーショップで買うとストライクゾーンを外れていることがあるってことです。
つまり、私はたとえ経済感覚からは正しくてもスタバではグランデを買わない。

  • 2.大が小を兼ねるとは限らない

スタバだとわかりづらいので吉野家にしましょうか?もし吉野家で一番お得なメニューが特盛りだったとします。毎回特盛り頼みますか?食いきれなくても…。
一般的に量が多い方がお客によって得なことが多いです。
もっとわかりやすい例を出すと、ユニクロです。使う記事の量が違うわけだから当然XSとXLでは原価が微妙に違うはず。原価から考えてお得だからといって自分の体に合わないXLを買いますか?買うと得しますか?


スタバではグランデを買えってのは、むしろ消費者が陥りがちな誤謬を表現している言葉だと思います。1個\350の物が3個\1,000になっていたら、一つしか必要じゃない場合でもついつい3個\1,000の物を買っちゃいますよね。例えば例に出した商品の原価が\250だとすると1個だけしか必要がないひとが普通に買ったら利益は\100。ところがうっかり3個買ってしまったら店には\250の利益が転がり込みます。\150は本来発生しなかったはずの利益です。それ以外にも大量に売りさばければそれだけ原価が安くなるってのもありますし、一度に一人の人がたくさん買ってくれた方が人件費も安く作ってのもありますし…。




最後に、まとめの落ち。


そもそも経済観念が発達していて嗜好品にうるさくない人は高いスタバには行きません。