あえて言おう。御茶ノ水駅は現状のまま残すべきだ。

<JR御茶ノ水駅>バリアフリー対策求め署名提出へ
病人というか怪我人につらい駅。そして酔っぱらいにもつらい…。
定期の経路によっては新宿や四ッ谷から自宅に帰る時に御茶ノ水乗換を選択することもあります。夜遅くに酔っぱらって聖橋口に出る狭い階段を上るのがつらくてねぇ。はやいところエスカレータでも付けてもらいたいと思います。ほんと…。


というのが利用者の本音ですが、ここは一つ心を鬼にして現状保存論をぶちたいと思います。


御茶ノ水
http://maps.google.co.jp/maps?hl=ja&ie=UTF8&ll=35.699695,139.764837&spn=0.00311,0.004334&t=k&z=17
知っている人は知っていると思います。ぎりっぎりの駅です。
南側は崖、北側も崖。北側のがけの下は川。下に丸ノ内線。上に聖橋と御茶ノ水橋。聖橋の橋脚はホームにある。狭いホーム。乗換の度に人があふれる。秋葉原・神田よりのホームは中央線(赤い電車)と総武線(黄色い電車)の立体交差エリアにかかって、一番はじっこに行くと1mくらい段差がある。水道橋よりでは夜になると総武線の電車が折り返し運転をするためのスペースまである。すべてがぎりぎりです。


この駅を改良するのなら御茶ノ水橋、聖橋の改築、さらには神田川上空の有効利用まで含めて考えた方がいいと思います。利用者にはその方が安全。景観が失われるなんてことは言っていられません。
しかし、このぎりぎりさは東京に住む人、あるいは日本に住む人が忘れてはいけないものなのではないかとも思うんですよね。
日本は豊かな国?よその国が日本より豊かであることを必死になってアピールしようとしている?バカ言っちゃいけない。ついこないだまで日本はぎりぎりのところでがんばっていたんだから。たぶん我々の世代、つまり昭和40年代前半生まれで裕福ではない、ぶっちゃけいうと貧乏な家庭に育った層がそのことを覚えている最後の世代なのかもしれませんねぇ。みんなぎりぎりでした。生活もぎりぎり、電車もぎりぎり。そんな経験をしつつなんとかこうやってのうのうと生活できるようになったわけで…。そういう記憶を残しておきたいというのは感傷にすぎないのか?
御茶ノ水に限らず東京都心の駅は不便なところが多いです。階段もホームも狭いし、その割に人が一杯いて危険だし。でも、不便だからという理由で壊してしまっても本当にいいんでしょうか?例えばきれいに整備された秋葉原の駅から無料のバスを運行するようにして、御茶ノ水の駅は一種の遺産、負の遺産かも知れないけれど遺産として残す、そんな考え方があってもいいと思います。
まぁ、こういう考え方をすること自体、豊かな時代に自分が慣れてしまっている証拠ですね。