漫画が小説より優れているところ

舞台(場所)が変わることをたった1コマで読者に説明できるところじゃないですかね。


もちろん他にもあると思うんですけれどねぇ…。












なんでいきなりこんなことを言い出すのかというと、当然『ハヤテのごとく!』がらみです。
この漫画で実現している方法は他の作品に応用可能だと思っています。さらには他のメディアでも同じ方法を使うことができると思っています。そこで考えた。私にとって漫画以上になじみ深いメディアである小説で、「スーパーハイブリッド構造」をどうやって実現させればよいのかと。
思い付かないんですよ…。残念なことに…。何がネックになるかというと場面展開の速さなんですよね。


極端な例を挙げてみます。
81話(8巻7話)「輪舞-revolution-」です。珍しくこのサイト内に画像を多用したわかりやすい説明があるのでリンクしておきます。
2006/9/17 初めて読む方への推薦状
この感想ではワタルのビデオ屋の場面とかを端折っているんですよ。それでも場面は3回変わる。ヒナギクが西沢さんと猫を連れて家に帰ってきて3人一緒の場面。その後お風呂に入っている場面。そして、最後、三千院家の場面。小説でこの話を再現するためにはどうしたらよいのだろうかと考えてもいい方法が思い付かないんですよね。


ちょっと違う話になっちゃいますが、フィクションとメタフィクションをシームレスにつなぐという実験作は読んだことがあります。虚航船団の最終章です。ものすごく難解でした。文の途中で脈絡なくフィクションとメタが入れ替わるんですよ。
もし、81話を小説にしたらそんな感じになっちゃうんじゃないかと思ったんですよね。逆にいちいち説明していたらそれはもはや小説とは呼べない物になってしまうんじゃないかと思ったんですよね。
そういうことを誰にでもわかる形で表現できる漫画ってすごいなぁと思います。とはいえ、81話はそれ自体が難解な『ハヤテのごとく!』という漫画の中でも難解な1話ではありますけれど。


いずれ強烈な才能を持った人が出てきて、「なーんだ、こうやればいいんだ〜」と思う日が来るかも知れないです。どの国の人がどういう言語で書くかはわからないですが、読者としてはネイティブで読める日本語で発表されればいいなぁと思っています。生きているうちに出てくるのかなぁ…。






もし思い付いたら「漫画が小説より優れているところ」第2弾もあるかもしれません。そして、私は漫画よりむしろ小説の方が好きだってのもあるので、漫画が小説の上に位置するメディアだとは思っていません。それぞれ特性を持っているだけと思っています。なので逆に「小説が漫画より優れているところ」という記事を書くことになるかも知れません。それ以外のメディア、たとえばアニメとか映画とかドラマとかゲームにだってそういう見方はできるんでしょうけれど、残念ながらそれらは私にとって漫画以上に縁遠いので記事にするのは難しいと思いますね。


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2005/9/4 読書感想文 筒井康隆著 虚航船団
※このサイトの読書感想文タグ第1号です。これを最初にやったのは無茶でした…。
2007/2/21「スーパーハイブリッドコミック『ハヤテのごとく!』」(暫定版)
2007/3/25「スーパーハイブリッドコミック『ハヤテのごとく!』」