CDを買う人は音楽を買っているのだろうか?

本題に入る前に一つだけどうしても噛みついておきたいことがあります(笑)。
音楽CDをマスターと呼ぶ感覚はとてもよくわかります。
私の場合年が年なので、中学生高校生の頃はちょうどレコードからCDへの切り替わりでした。そのころ、我々は最初にコピーしたカセットテープを「マスター」と呼んでいました。その元になったレコードなりCDなりはポイしたわけではなくレンタル屋さんに返しただけです。今と昔は事情が違うだろ?デジタルだからいくらコピーしても劣化しないから問題なんだよ、とおっしゃる方もいるでしょうが、そういうカジュアルな楽しみ方をしている人にとって音質は問題になるんですかね?少なくとも俺が子供の頃はノイズだらけのカセット音源でも満足してましたからね。だって、それしかないんだもん。音質の問題は本質的な所ではないと私は思います。
自分が子供の頃、最近のXXはとか言われるとすごく腹立ってたけど、きっと大人になったらそういうこと平気でいうようになるんだろうなぁと思ってました。でもならなかった。大人になれ>おれ。
「最近のXXは……」とか「XXはみんな……」っていう言葉はほとんどの場合嘘か誤解をはらんでいると経験的に感じています。だから私があえてそういう言い方をする時はその旨感じ取っていただければと思います(笑)。


ではここから本題。


この日記にも書いているように、私は円盤の時代はもうすぐ終わるのでは無かろうかという予想をしています。そして、その話は仲間内の飲み会でもします。一緒に飲む人に音楽大好きな人がいます。俺にいわせりゃオタクですよ。オタク。まぁみんながみんな分野はそれぞれ違うけれどオタクなんですけれどね。その人は音楽オタクでもある。
でね、その人が面白いこと言った。


「メモリーになるのは別に構わない。爪先ほどのmicroSDメモリになっても文句はない。


ただ、パッケージはLPサイズにして欲しい!


そうすれば、買う。」




別にネットを知らないわけではなく、むしろ今では手に入らないような音源を求めてネットをさまよっていたりする人です。大きな声では言えないですが、現実として対価を払わずに音源を、それも音質がいい音源を手に入れることができることも知っている人です。
でも、LPサイズのパッケージが欲しいと。
音楽を買って楽しむと言うことは、ジャケットの絵や写真、ライナーノートなど、音楽以外の部分も含めて楽しむと言うことであり、それを所有したいという欲求があるから買うんだと。そういうことみたいなんですね。


オタクの考えることはわからん。そう思う人もいるでしょうねぇ(笑)。


実際自分が買ったCDを見てみると、やっぱ欲しいから買っているんですよね。その最たる物がこれだ!

CDで聞いてみて。~ニコニコ動画せれくちょん~

CDで聞いてみて。~ニコニコ動画せれくちょん~

音質はともかくとして、ニコニコ動画に行けばこれ聞けるんですよね。ニコ動の音質じゃ満足できないかって??んなことない。実際CD買ったけれど携帯に突っ込んでLISMOで聴いている。それもいい加減な1000円くらいのヘッドフォンで聴いている。たぶん音質にこだわる人ならすぐにわかるレベルで劣化しているはず。
欲しいから買った。それだけです。それ以上の理由はないです。


上の話に戻ると、作り手としても、ジャケットやライナーノート、アルバムの場合は曲の並び順も含めて一つの作品として楽しんで欲しいという思いは有ると思います。そして、それをそういう形で受け入れたいという需要もあります。
ただ、その友だちに言わせれば、そういう楽しみ方をするにはCDのパッケージは小さすぎると……。最低でもLPサイズが欲しいと。




では、作り手側がそういう需要を満たす物を作れば、またちょっと前みたいにバカみたいに売れる時代が来るのでしょうか?私はそうは思いません。なぜなら、あの頃あれだけ売れたのは「買うことがかっこいい」「買わないと時代に乗り遅れる」みたいな風潮があったからなのではないかと感じています。今は逆に買うよりもネットで落とす、それも無料で落とすのがかっこいいとされているんじゃないですかねぇ。この風潮もいつまで続く事やら……。そのうちかっこわるいことになっちゃうかもね。


おそらく今くらいの販売数ってのがもともとの需要なんでしょう。