鎌田浩毅著『マグマの地球科学 火山の下で何が起きているか』

マグマの地球科学―火山の下で何が起きているか (中公新書)

マグマの地球科学―火山の下で何が起きているか (中公新書)

タイトル買いしてしまった。縦書き新書と思ってなめてかかったら高度な内容でちと歯が立たなかった部分があったりしました。
本書の内容に興味がある人には読んでもらうのが一番なので特に触れません。興味さえ有れば難しいかも知れないけれど読み進めることはきっとできるはずです。


私は独学、高校時代の地学、そして大学時代の自然地理学という枠組みで地球科学に触れてきました。
地震、火山、気象。古代から人間にとって親しまれてきたそれらの現象は未だに予想をすることさえできません。予想以前に原因を完全に把握するというところにも到達していません。
特に日本に住んでいる我々にとっては火山というのは非常に身近な存在であるはずです。だからこそ、日本という国では火山の研究が盛んなのです。しかし、その成果は一般にあまり知られていないという印象を私は持っています。そのためにうさんくさい予想がまことしやかに伝わったりしてしまうのではないかと思っています。


面白いことに、火山以上によくわかっていない地震については、もしかするとそういううさんくさい予想が実は正解なので?という疑念を私もぬぐい去ることができないでいます。予言がどうこうっていうのはナンセンスだと思うのですが、こういう現象が起こったから……という種類の予想、例えば最近も話題になった地震雲なんかも「あるかもしれないねぇ」と思ってしまいます。ただ、「確実にこうなる」と言い切られた場合は、信用してはいけないとおもいます。
私は中途半端に学んだので、現在専門的に学んでいる人とは知識レベルが違うのでそう思えるのかもしれませんが……。


著者が最初に断り書きを書いていましたが、この本では図表が多用されています。その図表の読み方について解説をしていて驚きました。
なぜそんな解説が必要なのか?さっぱりわからなかったんです。
私は子供の頃からそういう図表に慣れ親しんでいたせいかすんなりと読んで受け入れることができます。しかし、それができない人ってのもおそらくはいらっしゃる。私が漫画を読んですんなり理解できないことがあるように図表を読んでも理解ができない人がいるのも不思議ではない、そこに到達するまでの間、頭の中ではてなマークが行ったり来たりしてしまいました。
面白いことに、図表を読めるからと言って書けるわけではありません。書くのは苦手です。だから卒論でも苦労しました。コンピュータの力を借りてなんとかでっちあげましたが……



自然科学系の新書としては若干敷居が高めだと思いますが、興味をお持ちの方、特に、他の本を読んで寄り高度な内容に触れたいと思われている方にはお薦めできる本だと私は思いました。