読書感想文 竹宮ゆゆこ著『とらドラ7!』

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

とらドラ!〈7〉 (電撃文庫)

そうなんだよねぇ。本来ラブコメのメインヒロインである立ち位置にいる櫛枝実乃梨はこういう役回りになっちゃうんだよねぇ……。
実乃梨が竜児と距離を置こうとしているのは竜児を意識しているからにほかならないわけで……。


竜児と大河、その2人が自分の「本当の気持ち」に気づくというお話でした。まぁこれですんなり話が進むとは思えません。どんでん返しの応酬はきっとあるんでしょうね(笑)。
さて、昨日「川嶋亜美について」ってのを書きましたが、亜美と大河って実は似ていると思うんですよ。2人とも背後にある感情を今まで隠して生きてきたっていう面があるんだろうな。それがどう顕在化しているのか、ってところに大きな違いはありますけれどね。そして、もう一つ。2人とも孤独を感じている。大河だけでなく亜美も孤独を感じているんだろうと思う。本当の自分と友だちづきあいしてくれるような人はいないと思いこんでいた節がある。亜美はこの物語が進むに連れて変わりましたけれどね。
その孤独から彼女を救い出したのは北村祐作なんですよねぇ。彼がトリガーを引かなければ大河と亜美はおそらく交流は無かった、そういう作りになっていますよねぇ。亜美にとっての祐作は大河にとっての竜児と似たような存在になっているように読みとれます。それが作者の意図通りなのか、意図通りだとしてもそれが物語の行方に影響があるのか、それはわかりませんけれど。
そうですね。大河も今じゃ孤独ではない。竜児によって孤独の淵から救い出された。擬似とはいえ家族だっている。学校に行けば意外と人気者。内面はともかく見た目だけでは定評のある「美少女」として認識されている。しかし大河自信は未だ孤独の淵にいると思いこんでいる。だからこそ、逆に竜児と実乃梨が関係構築することを最後の最後に拒むような行動をとったんですね。もし既に「自分が孤独ではない」と思っていたらこの行動は無かったはずです。
ああ、これがおそらく物語におけるフラグの立つタイミングってやつなんだろうなぁ。そして、たぶん、『とらドラ!』の場合、このフラグが立つタイミングは物語の結末に影響を与えるんじゃないかと思います。


表面上はメインヒロイン大河に続き主人公の竜児がめでたく想い人に振られました。いや、めでたくないけど。8巻以降あっさりと竜児と大河が愛を育むのか、いやいや、やっぱり亜美が絡んでくるんでしょうね。


ブコメとして見てみると、この作品は男2人に女3人なんですよねぇ。もし男2人がカップリングされると女の子が1人あまっちゃう。私はどう転んでも亜美は余っちゃうように予想しているんですがこの先どうなっているでしょうか?
引き続き8巻にとりかかります。あと少しで出ているところ読破だ!


えーっと。全くの余談ですが、この本、誤植、っていうか変換ミスが少なくとも1カ所あるよね。スケジュールきつくて漏れたのかと思ったら、俺が買ったのは6刷なのでそれは無さそう。
みんな気づいてるのかな?俺にとってはすぐに気づくところだったんですけど……。まぁ他の作品にもあって気づいていないだけだと思うんですけれどねぇ。
ってわけでどことは言わない。わからない人は探してみるのも一興かとお思います。