ハヤテのごとく! 三千院紫子から考えるトゥルーエンド
- バックステージVol.233(2009/2/24まではこちら)
とりあえずこれを踏まえた上で
番外編とかアニメの最終回とか
あと下田の話とかを見直してもらうと
色々面白いかもしれません。
というありがたいお言葉を作者の畑健二郎さんからいただきましたので、せっかくなのでいろいろ考えてみました。下田の話、番外編、アニメ、98話、過去編、そして初期設定まで……。
前提として、この漫画は「時間を描いている」というのを念頭においています。これは作者本人の口からは語られていませんが、ここまでの流れと情報を総合するとまず間違えないんじゃないかと思っています。この前提が違っていたらこのあとの話はちと脆弱になります。
続いて、今週の話を読んで思ったのは、ハヤテを過去に呼んだのはナギではなく三千院紫子さんなんじゃないかということです。ゆっきゅん、ぼけてるくせにやるなぁと。少なくとも過去の時間軸でハヤテとナギは面識がなかったし、現代のナギもハヤテに助けは求めていなかった。そして、今週の冒頭の話。それはまず間違えないんじゃないかなぁと思いました。
もしかすると、ナギがあの時死んでしまう別の未来があって、その未来では紫子さんは生きていてその世界から呼び出されて……などという妄想を持ってしまいました。それにはなんの裏付けも確証もないので妄想です。
次に三千院紫子さんについて考えてみた。下田温泉話の最後で三千院帝が出てきた。文脈から見て、帝は紫子の復活を夢見ていて、さらに信じてもいるのではないか、そう思えるような表現でした。
そして、そこにはいわゆる「飛行石」があった。
さらに、過去編に思いを馳せてみた。ハヤテとアーたんが出会った「ロイヤル・ガーデン」では時がゆっくりと流れていました。そして、そこには何らかの秘密があり、何らかの条件を満たさない限りそこにたどり着けない。漫画内現代のアーたんは三千院帝をそこに行かせたくないと考えている。
また、「ロイヤル・ガーデン」と言う場所は重要な場所で、この漫画のタイトルの候補でもあった。
時の流れ方が違う世界。そこを目指す三千院帝。そして、過去に呼び出されるハヤテ……。
これらを総合して到達した予想がこれです。
「ロイヤル・ガーデン」では、時を巻き戻すことができる。
むろん何かの条件がそろってはじめて、ということになります。
その予想を元にするとこの漫画のトゥルーエンドはこんな感じになります。
今までの物語を無いことにして時間を巻き戻しすべてをやり直すか、築き上げた関係がベースとなった未来へ進むかの選択をする。
これ、どっちを選択してもちょっとやばい。想像するだけで泣けてくる。もしかすると、その選択は物語の自由度におさまっているのかもしれない。『ハヤテのごとく!』という作品にとっては選択を描くことが重要であり、そこでどっちをとっても物語自体はきれいに完結する、そんな仕掛けです。ついこないだもそういうのがあったからなぁ。ねぇ。ハリー……。
前に書いたと思うんですが、ヒナギクさんの途中最終回だった98話や西沢さんの途中最終回だった116話は、おそらく『ハヤテのごとく!』全体ではサイドストーリーにしか成り得ないと思っていたんですよ。あくまでもハヤテとナギとマリアさんの物語がメインであると。
しかし、今日書いたような考え方で行くと、そのメイン3人の物語も一つのサイドストーリーとしてみなすことができます。逆に、やっぱりそちらがメインだ、と考えるのなら、「ロイヤル・ガーデン」がらみの話がサイドストーリーだと捉えることだってできます。
『ハヤテのごとく!』はギャルゲー・エロゲー的だというお話がありましたが、もしこういう結末ならそれはある意味当たっているんですよねぇ。でも、途中セーブは不可能です。
ただし、リプレイができる。
ロイヤル・ガーデンにまつわる話とか、三千院帝の役割とかはこの予想でうまいこと説明がつきます。そして、2周目突入があり得る作りです。
さらに言うと、もし物語が「無いことに」なったら私の直感も当たったことになるんですよねぇ。あるタイミングでこの架空の世界は消えて無くなる……。
もしこの予想が当たっていたとするなら、かなり早い段階でその設定が明かされると思います。そうしないとアーたんがいつまで経っても出てこれない(笑)。アーたんはおそらく「ロイヤル・ガーデン」の秘密を知っているでしょうから。
短い時間でざっと考えてみただけですが、今のところこの予想での整合性を乱す要素は呈示されていないのではないかと思いました。
ご意見などありましたら、特に「いやいやこう書いてあるからそうなはらない」というご意見がありましたらコメントして下さるとありがたいです。
私自身、当たっていてもいいけれどはずれていてもそれはそれでうれしい、今日書いたのはそんな予想です。
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