読書感想文 井上堅二著『バカとテストと召喚獣』6巻

バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)

バカとテストと召喚獣 6 (ファミ通文庫)



このシリーズに限った話ではないのでしょうが、入手大変でしたぁ。置いてなかったり瞬殺食らっている本屋が多いんですよねぇ。そもそもライトノベルってアニメになったりして人気が出ている作品以外は扱っていない本屋が多いから、こういう作品は手に入れるの大変です。
秋葉原に行けば余裕で手にはいるのですがね(笑)。


そんなわけで、漫画にもなって、アニメにもなることが決まった『バカテス』6巻感想です。




おおよその流れは、補習&夏期講習⇒召喚獣不具合⇒肝試し⇒ラブコメって感じでしょうか。カオスですねぇ。そこがいいのですけれどね。
吉井明久は無駄にかっこいいですね。本人は意識していないのにフラグを立てまくったり既に立っているフラグを強化したりしています。天然ジゴロです。
ブコメ的に見ると島田美波圧倒的優位の状態だったけれどこれで姫路瑞希が持ち直したのかなぁと言う感じです。んで、ダークサイドに落ちてしまった人とその相方はいずれくっつくんじゃないかなぁとかおもったり。ラブコメ的にここはそういう流れ。


感想書きづらいことこの上ないのですがあと2点。


1つはこの小説で一番気に入っているキャラは誰かという話。迷わず土屋康太(ムッツリーニ)ですね。高校生の頃の自分を重ね合わせています(笑)。あれ、前にも書いたかな?これ?まぁいいや。
ある1教科だけで無類の強さを発揮してそれ以外はバカというキャラクターっていいですねぇ。ほんとうにいい。高校生時代の俺はまさにそんな感じでしたね。本来ならそこそこできる教科があるのならそれを放置して弱点を強化した方が受験には有利なんですよ。んなことはわかっている。わかっているけれどそれはしたくなかった。そして、しなかった。だって、面白くないじゃん……。圧倒的な力を持ちたかったんですよね。マイナーなところでも良いから……。
こうやっておっさんになってみても、俺のそういう本質的なところって何にも変わっていないんだなぁと思いますね。特に、この日記サイトみてみるとね……。人と違うこと、人が「良い」と言っていることとは逆のことをやりたがるんですよねぇ。
ちなみに、当時の俺には工藤愛子みたいな相方はいませんでした。


そして、もうひとつ。久保君。
そもそもこの小説を読むきっかけになったのは『ハヤテのごとく!』の作中に出てきたからなんですが、『バカとテストと召喚獣』も『ハヤテのごとく!』同様、当初から予定が決まっていたみたいです。6巻の袖に書いてある作者の独白からそう読みとりました。そっかぁ。久保君がラスボスの予定だったのかぁ。
でも、それが作者にとって譲れない物なのかはわからないのですよ。バカテスにはまだハヤテの「使用人(かまい)たちの夜」にあたる話が俺が読む限り無い。エンディングが決まっていて、そのエンディングにかたくなにこだわろうとしているのかまでは読みとれていないです。
ハヤテにしてもバカテスにしてもギャグ主体の話であらかじめ決められたストーリーを構築するのはとても難しいんじゃないかなぁと思うんですよねぇ。ストーリーに軸足を置くと「最近つまらない」と読者に思われちゃうし、ギャグに軸足を置くと決められたストーリーから逸脱しちゃうし……。毎週連載の漫画だと作品を発表する時間的な制約がきついから特に難しいだろうなぁと思いますね。




1巻を読んだ時の感想文でサブタイトルにもしたのですが、『バカとテストと召喚獣』には、「文字で書かれたギャグ漫画」という印象を持っています。ギャグ漫画の感想ってのはそもそも書きづらいです。だから、この小説の感想もとっても書きづらいです。
だって、ストーリー追っているだけじゃ面白さは絶対伝わらないし、かといってギャグをあげつらってもしょうがないし……。


とりあえず、笑える本が読みたい人は読んでみて損はないと思うんですけれど、それをうまく伝えることができずにもどかしい気分ではあります。