『けいおん！』と『咲−Saki−』はなぜ面白いのか？

けいおん! (1) (まんがタイムKRコミックス)

咲 Saki (1) (ヤングガンガンコミックス)

このサイトに感想を書くことは無かったのですが、この２本のアニメ、毎週楽しみにしていたんですよねぇ。『咲−Saki−』は今でもやっているから、っていうかこれからオリジナル展開に行かざるを得ないから今もまだ楽しみです。感想を書かなかった理由は「面白くなかったから」ではなくて「アニメの感想を書くのはつらいから」です。１本だけでおなかいっぱいですよ……。


さて、『咲−Saki−』はもともと原作を読んでいました。『けいおん！』は漫画喫茶の目立つところに置いてあったのでざっと原作を読んでみました。読んでみると……。原作もそこそこ面白いんですよね。俺がよく言う「恐怖を感じる面白さ」とまでは行かないですが、続きが気になる話でした。


この２作品、アニメ化をきっかけに多くの人の目に止まったのではないかと思われます。アニメとしての技術や演出、さらにはオープニングやエンディングを初めとする音楽もヒットの要素なのでしょうが、それ以前に作品としての面白さも間違いなく存在すると俺は感じました。


ただ単に、可愛い女の子がたくさん出てくるだけではなく、その裏にはヒットする要因がちゃんとあると思うんですよね。そして、その要素は『けいおん！』と『咲−Saki−』で共通していると俺は思ったんです。


その要素とは

• 努力
• 友情
• 勝利

すなわち少年漫画での鉄板要素です。




『けいおん！』も『咲−Saki−』もわかりやすいのでいちいち解説する必要はないかな？『けいおん！』はちとわかりづらいか。唯はなんのかんの言って努力してますよね。そして作中で登場人物の女の子たちは友情を得てますよね。そして学園祭のライブで勝利していますよね。要素だけをみるとそんな印象を持つんですよ。
『咲−Saki−』の方は見ての通りという感じですが、そもそも天才覚醒のモチーフを使っているので努力要素がちと弱いか。麻雀漫画だけれどエスパー戦隊物みたいなもんだからなぁ(笑)。でも勝利を目指して努力をして友情を育むという部分は同じです。


『けいおん！』にはあって『咲−Saki−』には無い要素もあります。それは憂と梓の存在です。特に梓の存在は大きいと思います。梓は「努力」や「友情」を確認する存在になっています。憂は主要メンバーの一人である唯の妹なので、純粋な部外者とは言い切れません。しかし梓は部外者。部外者であるからこそ疎外感を感じることもあるけれど、主要メンバーたちの成長を冷静に見ることもできるポジションにいます。そしてその梓のポジションはおそらく読者のポジションに非常に近いんですよね。


逆に『咲−Saki−』にはあって『けいおん！』には無い要素もありますね。言うまでもなく「敵」の存在です。そうやって見てみると『咲−Saki−』の方が伝統的な、それこそ俺が子供の頃に読んでいたような少年漫画の文法を忠実に再現しているように見えます。




「努力」「友情」「勝利」だけが、この２作品の面白さではないとは思います。可愛いデザインの女の子が出てきてなかったら人気が上がらなかったかも知れませんし、「友情」の行き過ぎた表現である女の子同士の恋愛チックな描写が好きではまった人だってもちろんいるでしょう。百合っていうんだよね。そうだよね。よくわかってない言葉を使うと突っ込まれるからね。うん。
ここ２年くらいか。いろいろ読んでみて、女の子が可愛いだけでは面白いと思えない自分がいたのでやっぱり何らかの理由を見つけたいんですよね。
『けいおん！』と『咲−Saki−』については、物語の柱になっている「努力」「友情」「勝利」がその理由であると自分自身では納得しました。