読書感想文 コナン・ドイル著『四つの署名』

四つの署名 (新潮文庫)

『緋色の研究』を読んだ時にも思ったのですが、今現在この作品が産み出されたとしたら、それを出版することは諸般の事情で難しいのではないでしょうか？良くも悪くも、19世紀末の世相を反映した作品です。


トリックよりも動機の解明やら犯人追跡がメインと言った感のある推理小説です。何を持って本格というかという話はあるのですが、私の感覚では「本格」という感じではないですねぇ。今の日本でこれを読むとむしろ「伝奇」チックに思えます。


ワトソン君はここで伴侶を得たのですねぇ。子供の頃読んだはずなのにちっとも覚えていませんでしたよ。まじで。もしかしてシャーロック・ホームズシリーズの長編って読むの初めてなんじゃなかろうかと思い始めてきた(笑)。それは無いと思うのですがほんとすっかり忘れています。


長編といっても長くありません。ライトノベル感覚でさくっと読めますね。ライトノベルと言っても読むのにやたらと時間がかかる作品もあるので適切な例えとは言えないですけれどね。そうたとえるとわかりやすいかなぁなどと勝手に思いまして……。