読書感想文 コナン・ドイル著『バスカヴィル家の犬』
- 作者: コナン・ドイル,延原謙
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1954/05/12
- メディア: 文庫
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なんとなく再読を始めた、私の読書体験の原点とも言えるシャーロック・ホームズシリーズ。
原点といいつつ、すっかり忘れているという……。
しかしまぁ、今思うとシャーロック・ホームズシリーズって本数少ないですよねぇ。作品がこれしかなくて未だ世界中に熱狂的なファンがいるキャラクターってのもすごいと思います。
推理小説なので例によって詳細の記述は避けます。古典だから書いても問題はないんだけれどね。よほどのことがない限り書きたくない。それは俺のこだわり。
『バスカヴィル家の犬』を読んで思ったのは、『緋色の研究』『四つの署名』よりも本格推理小説よりになったなぁということです。他にも同様の作品は有ると思いますが、不可解な謎とそれに対する論理的な解答という点では『バスカヴィル家の犬』は推理小説の父の一つなのかもしれません。
具体的に言うと、島田荘司氏や京極夏彦氏の作品と構成は同じだなぁと思ったんですよ。
伝説をベースにした、とても現実に起こったとは思えない事件があり、伝説を裏付けるような出来事が起こり、でも、最後にはそれがすべて作中のではなく我々が生きている現実の論理で解決可能であることが呈示される。
読んでて気持ちいいですねぇ。
余談ですが、シャーロック・ホームズシリーズを読んでみて、初めて読んだ子供の頃は持たなかった感想を持ちました。
それは誤解を恐れず一言で表現すると「大英帝国の誇り」ですね。政治的社会的な当時の状況がこういう作品を産み出したのだろうとも思います。支配する他の地域に対して若干差別的な表現もありますが、それも含めて当時のイギリスの世相というのが記されている著書の1つなのかなぁと思いました。