ハヤテのごとく! 西沢歩が普通であり続けられる理由

前にも似た様なことは書いていると思いますが今週の話(282話)を読んで書きたくなったので書きます。




漫画の中で「普通」っていう属性を持つキャラクターってなかなか成立しないんですよねぇ。大概途中でなんらかの特徴的な属性が与えらちゃう。それがいいとか悪いとかじゃなくてまさにそれが「普通」だと思うんですよね。別に漫画に限定しなくてもいいでしょうね。小説とかでも一緒でしょう。何らかの特徴が無いとその物語の中にいられません。


西沢歩が現時点で普通少女なのか、という点に関しては、読者それぞれの主観があると思うので議論の余地があるというか主観なのである意味議論の余地は全くないのですが、ええ、何言っているかわかりませんね、そうそう、とりあえずこの文章を読んでいる人が西沢歩のことを普通と思っているか思っていないかに関わらずってことがいいたいのです、おれ、個人としては普通属性を保っている希有な存在に見えるんですよね。
でも、そんな西沢歩にも特徴はあります。その1点だけは普通じゃ無いと思う。そして、面白いことに、その1点があるから未だにこうして『ハヤテのごとく!』という物語の中に出てこられるんですね。
それは

  • 「あきらめない」

です。


初登場でハヤテに振られてあきらめていたらそもそもこの漫画に出てくるきっかけはなかった。あれで終了でした。下田に旅行に行こうが、同じ喫茶店でアルバイトをすることになろうが、あきらめている以上傍観者以外の何者にもなりえなかった。
それ以外はとても普通だけれど、その1点が普通じゃないんですね。だから他の属性が変わらなくてもこのまま普通でいられるのではないかと思うのです。
そしてもう1点。
畑健二郎さんのキャラ紹介で「やがて普通であることが意味を持つ」という趣旨のことが書かれています。そういう意味づけがある以上西沢歩から「普通」という属性を取り外すことが逆にできないのではないかなとも思うんですね。


以上、2点の理由から、おれは『ハヤテのごとく!』における西沢歩はこのままずっと特徴らしい特徴を持たずに物語の終わりまで描かれ続けられるのではないかと思っています。