コンテンツサイトはまとめサイトに搾取され従属する

私自身はこの「tanabeebanatの日記」というサイトをコンテンツの集積サイトであると思っているし、そうなるように工夫をしています。そして、コンテンツの力を信じています。良いコンテンツさえあれば必ず読みに来る人はいるし、そのコンテンツの寿命は数日とか数ヶ月とかではなく、数年、数十年に達すると信じています。
しかし、現実は厳しい。


2010年8月、コンテンツを集積したtanabeebanatの日記は、コンテンツが全く存在せずリンクのみを集めた「読書感想文倉庫」というサイトと同等のページビューである、さらに、Google Adsenceでの広告収入では5分の1しか得られませんでした。


結局、コンテンツは、それをまとめる機能を持ったところに従属し、搾取されるのです。




このサイトは夏休み期間になると読書感想文サイトとして認識され、普段は決してやってこない多くの読者の目に晒されます。そのことについては昨日書いたアクセス解析記事の中で触れました。
さて、ご覧の通り、このサイトには申し訳程度にGoogle Adsenceの広告が貼ってあります。そんなに人が来るのならかなり儲けているのでは?と想像している人がいるかも知れませんが、とても残念なことにそんなことはありません。


ところで、私は検索対策として「目次サイト」なるものを別の場所に持っています。
http://dokushokansoubun.web.fc2.com/
この記事では「読書感想文倉庫」と表現することにしましょう。
開いた人はびっくりするかもしれません。デザインめちゃくちゃです。しかも放置状態です。その上、全く内容がありません。しかし、このサイトにも夏休みには多くの人が来訪してきます。そして、そちらにもGoogle Adsenceの広告が貼ってあります。とても邪魔な位置に貼ってあります。意図的ではなくそうなっちゃってます。直そう直そうと思ってますがめんどくさいので放置しています。通常は読みに来る人がほとんどいないサイトなので手間をかけるのも無駄に感じます。


構築するのにかけた時間も更新頻度も全く違う2つのサイト。当然力が入っているサイトの方があらゆる面で上に行くはずです。
しかし、そうはならないのです。


コンテンツを集積したtanabeebanatの日記と読書感想文倉庫、8月のページビューでどちらが多かったのか?
読書感想文倉庫の方が多かったのですよ。
そして、もう一つ、広告収入です。そちらはなんとあろうことか、読書感想文倉庫はtanabeebanatの日記の5倍以上の収入をもたらしました。


つまり、一生懸命コンテンツを書いた人よりも、それに対するリンク集を適当に作った人の方が儲かるし多くの読者を獲得できる、そういう結果が出てしまったのです。


ここに挙げた例は極端なものかもしれません。最初に書いたように、私はtanabeebanatの日記をコンテンツの集積サイトにしたいと考えているので、意図的に分野やテーマを絞らずいろいろな記事を書いています。Google Adsenceでは、コンテンツマッチング型の広告を出しているので、雑多なコンテンツが存在するところよりも、テーマや読者層が絞り込まれたサイトの方がより広告収入が得られるのは道理です。さらにはデザイン的な問題で、誤って広告をクリックした人も中にはいるかもしれません。




もともと、読書感想文倉庫というサイトを立ち上げたのは、tanabeebanatの日記の検索機能だけでは読書感想文が探しづらくなっている上に、tanabeebanatの日記がGoogle検索で引っかかりづらくなってきたことが理由でした。立ち上げた当初は読書感想文を追加するたびにメンテナンスして行くモチベーションがあったのですが、夏休み中以外はほとんど人が来ないのでなかなか続きませんでした。年に数回のアップデートしかしていません。
それでもこれだけの人が来るというのは、コンテンツ自体にはそれなりに需要がある明かしだろうと思います。しかし、収益を生み出すのはコンテンツではなくリンク集なのですね。悲しいけれど現実です。




そのことが悪いとは言わないし言えません。別の分野のリンク集をメインコンテンツにしているtanabeebanatの日記ですから。それはそれでやり方としてはありでしょう。商売としてやるのなら私もそういう商売をすると思う。
しかし、それでいいのか?という思いもまた私には強いです。


これでは現実社会と同じです。出版社や問屋にあたるところが、実際に物を作っている人が得るべき利益を搾取しているように思えます。確かに、残念ながらネット社会とは言っても現実社会のサブセットであるとは思うのですよ。でも、それではつまらないんです。ネット社会ならこの問題を打破できるのではないか、そういう世界を夢想しているのですよね。もちろん出版社や問屋は悪ではないです。しかし、ネットの普及によってそういう物が無くなると言っている割には、そういう物に成り代わる別の勢力がのし上がって来ているだけなのではないかなと私は思うのですね。変わっているように見えて本質は何も変わっていない。だから変えてみたい。私はそう思うのですよ。今はノーアイディアです。しかし、この先何か思い付いたとき、その実験場所として手元で管理しているサイト群が使えればいいなぁと思っています。


他にもいろいろと思うところはあるし、読み返すとミスリードしようとしているとしか思えない記述もあるのですが、今日の記事ではここまででとどめておきましょう。今まで書いたことと重複しますしね。
とにかく、私がこの記事で言いたかったことは、感覚的には予想できていたことが、生々しい数字で証明されてしまったということです。




しかしまぁ、現実は現実。目次サイトのメンテナンスをするともっと儲かるかも知れないので来年の夏までにはなんとかするようにがんばろうと思っています。