機密情報流出はなぜ起こるのか?

尖閣諸島の衝突映像、対テロ対策の資料と相次いで機密情報が漏洩していると報道されています。
なぜ、そのような情報が漏れるのでしょうか?2つの理由が思い当たります。


1つは、情報を管理する側の認識不足です。情報というのは拡散するものです。企業であっても、本当に重要な情報はデジタル化しないということを徹底している場合もあります。デジタル化されたデータはそれだけで流出リスクを追っています。
もう1つの理由。
それは、流出した情報は本当は機密情報に当たらないという可能性です。




情報が機密であるか否かは、それを判断する人の主観に拠るところも大きいです。ある人にとっては広く公開されてしかるべき情報であっても、別のある人にとっては決して関係者以外の目に触れてはいけない情報であるという場合も少なくありません。
その場合、「認識不足」ではなく、「価値観の違い」ということになります。


さて、今回は情報の「流出」という表現が使われています。この「流出」という表現が使われるのは現代社会を象徴しています。
10年前、いや、20年前なら「流出」は起こりえないです。物理的に不可能です。なぜなら、本当に機密性が高く、有る属性を持つ人にとってとても重要な情報であったら、その情報は秘密裏に取引されているはずです。そして、それをもしマスメディアが手に入れたとしても、「流出」ではなく「漏洩」された情報を「入手」したことになるのですよ。しかも、その場合、マスメディアは取材源の秘匿という錦の御旗を掲げる可能性もあります。
たとえ義憤に駆られて情報を公開しようとしても、ネットが普及する前だったら、マスメディアの力を借りなければそれは決してできなかった。そして、マスメディアの力を借りる以上はマスメディアによって編集、あるいは秘匿される可能性を否定できないんですよね。


インターネットの普及によって情報や言論は民主化を果たしつつあります。そこには光もあれば影もある。そして、既得権益を持つ人々は、影の部分に目を向けるよう民衆を誘導したがるはずなのです。