メーカー装着タイヤを巡る2つの都市伝説

昨日、タイヤを替えたって話の中でも書いたけれど、メーカーからディーラーを経て新車が納車されたときについているタイヤにはとある噂があります。真実を知らない私にとってはそれは単なる都市伝説にしか過ぎないのですが、困ったことに相反する2つの都市伝説が聞こえてくるんですよね。

  • 1.メーカーで装着しているタイヤはコストをギリギリまで削っているので、カーショップで買える同じ銘柄に比べると品質が劣る。
  • 2.メーカーで装着しているタイヤはその車に合わせてチューニングしているので、カーショップで買った同じ銘柄のタイヤに履き替えても同じ性能が得られるとは限らない。

さて、信憑性が高い話はどっちなんでしょうか?




私個人としては後者、つまり、メーカー装着タイヤの方が独自のチューニングが施されている、の方が信憑性が高いように思えるんですよね。
なぜなら、タイヤって工業製品ですよね。同じラインで大量生産した方が安くできるんじゃないかなぁと思うんですよ。いちいち材料を替えたり工程を替えたりしたら、たとえそれが省略方向であっても高くつくんじゃないかなぁと。
そうではなく、歩留まりという面で、一般には売れない製品が混ざった状態で車メーカーに納めているという考え方もあるでしょうが、これまた私にとっては都市伝説レベルの話ですけれど、漏れ伝わる自動車メーカーの品質管理の厳しさから想像するとあり得ないように思えます。
だから、あり得るとしたら後者かなぁと思うんですよね。特に高級車や運動性能に優れた車の場合はあり得るだろうなぁと思うんですよね。


しかし、さらによくよく考えてみるともっと難しい問題をはらんでいるのかも知れません。
同一銘柄に履き替えるという話でなければ、往々にしてメーカー装着タイヤより、自分で替えたタイヤの方が目に見えて性能が高いってことはあるんじゃないかなと。
メーカーはその車を買った人がどういう使い方をするのかまでは把握していません。高速道路の巡航がメインなのか、街乗りでストップ&ゴーをひたすら繰り返すのか、何人乗ってどのくらい荷物を載せるのか。もちろん、ターゲットとする顧客が主にどんな使い方をするのかってのは事前にリサーチはしているでしょうが、そう言うユーザーばかりが買う商品ではないのですよ。
車の印象ってタイヤで全然違う物になるんですよね。とても大事。その大事な部品が自分好みなのかそうでないのかによって、その車の価値がかなり変わるんですよね。
自分が思い描く方向性を持ったタイヤに替えれば、そりゃメーカー装着のタイヤよりも全然良い物に思えるでしょうし、逆に予算などの制約で自分が求める方向とは違う性能を持ったタイヤにしてしまうとがっかりしてしまうんでしょう。
そういう事を考えると、上に挙げた2つの都市伝説が、本当に都市伝説だとしたら、それが生まれた背景がわかるような気がします。