読書感想文 筒井康隆著『ビアンカ・オーバースタディ』 上級版

強い美少女3人と頼りない男が数人、現代と未来でひと騒動起こす物語です。




まぁこの3人の美少女が強い。比喩ではなく男なんかひねり潰すくらい強いんだなぁ。男どもを手玉に取るなんていうもんじゃない。


それはともかくとして……


この小説は、夢のような未来からやってきた人が悩める現代人を救うのではなく、テクノロジーは発達しているけれど人類が衰退したグロテスクな未来を現代人が救うというプロットです。
なかなか趣深いですね。
今を卑下し将来を夢見るのではなく、将来に絶望し、現代を礼賛しているように感じる事もできます。どうでもいいけれど礼賛って「らいさん」って読むんだ。たった今初めて知った。あーびっくりしたなぁもう。
元に戻ると、現代を礼賛しているだけでなくむしろ過去を懐かしむというところまでいっているように思えます。男が強かった、実際に強かったのかどうかはともかく強いと言われていたあの時代。その時代への回顧がこの小説の根底には流れているのかも知れません。