メインフレームの追憶 0話 残念な前置き

いつかは書きたいと思っていた連載記事です。が、バックボーンがとても残念なのでどうしてもそのことは最初に書いておかなきゃならないなぁと思いまして、さらに残念なこの0話から書くことにしました。




システム屋の世界に入って、最初に覚えさせられたのは今で言うメインフレーム上でのアプリケーション作成です。今でもいうと思うけれど、当時は汎用機と言ってましたねぇ。
まったくの素人だったけれど、なんとか仕事としてこなせるようになって、結局、そのとき覚えたことがベースとなって、未だにプログラマー的な仕事をしています。手に職をつけた、というところです。


技術は日進月歩で進歩し、作業環境も大きく変わりましたが、是非はともかく、私は未だにメインフレーム時代に覚えたやりかたを踏襲していることが多いなぁと感じます。ぜんぜん違うんですけれど、考え方の基本は同じなんですよね。技術的な壁にぶつかった時も、メインフレーム時代に経験したさまざまな問題を脳内で検索して解決につなげようとしてしまいます。そしてそれで実際解決することもままあります。


自分自身でもいったい何が役に立つのかわからない。わからないけれど、ふとしたときに役に立つ、それがメインフレーム上でアプリケーションを作っていた頃に得た知識と経験です。
それをどこかに残したいという欲望はずっと持っていました。ただ、残念なことに、ものすごく狭い範囲のものすごく浅い知識しか持ち合わせていないので、多くの人の興味を引くようなことはかけないと思うんですよね。
だから躊躇していました。


しかし、年を食ってどんどん物忘れが激しくなっています。どこかに書いておけば覚えていられることも、どこにも残さないとすっかり忘れてしまうという恐怖を持ちながら毎日生きています。
なので、ほかの人の役に立つかどうか、などということを度外視して連載記事を書き始めちゃいます。


私が経験したのはIBMメインフレームだけです。その中でもMVS環境がメインです。細かく言うとMVS/XAとMVS/ESAですね。VMはちょっとだけ経験があって、VSEは結局一度も触る機会が無いままにメインフレームの世界を離れました。もちろん、今主流のz/OSのことは全く知りませんし、IBM以外のベンダーが提供しているメインフレームのことも知りません。日立、富士通IBMと似ているらしいんだけれどNECACOSは全然違うって話を聞いていたので一度触ってみたかったんですがそんな機会には恵まれませんでした。
主に担当していた作業はプログラミングです。必要があればOSやプロダクトの起動もしていましたけれど、普通はそれ専門の人がいたので通り一遍のことができる程度でした。手順書通りに作業はできてもトラブルには対処できないレベルです。
その程度なので、全く深いことは書けません。今からでは想像できませんが当時は「若手」と言われていましたからねぇ(笑)。


今のところ連載と言っても5〜6回の予定です。ヤマなしイミなしオチなしです。
おそらく、今の常識とはかけ離れたことも書くかと思いますが、昔はそう言う世界があったんだよと年寄りが愚痴っているイメージで読んで下さる人がいたら幸いです。