スバルの車はなぜ安全なのか?



まず最初にこの記事のタイトルは、嘘はないけれど誤った印象を与えるということをお断りしておきます。




私は決してスバルの車「だけ」が安全であるとは思っていません。スバルの車「も」安全だと思っています。
免許を取ったのは昭和の末期。当然最初はおんぼろ中古車から始まりました。その時代の車からみると今の車は本当にすごい。性能はよくて長持ちするし安全。コンピュータでいうと汎用OSが無くて自分で作ったプログラムを動かしていた時代(その頃はまだ持っていなくてあこがれていたけれど)と、いまこうやってGUIの画面をなにごともなく表示させて常時接続でネットワークにつながっている時代くらい違うかもしれない。何をするにもコツがいりました。動かすのはともかく止めるのにもこつがいったっていうのは今考えると恐ろしいこと。


繰り返しますが、スバルの車だけが安全とは思っていないです。しかしスバルの車は安全であることは俺も知っています。
冒頭に貼ったリンクほどではないけれど、外から見たら中の人は死ぬか大怪我を負っているとしか思えない事故で乗員3人が軽症で済んだという経験をしていますから。
だから、これは仮定です。
スバルの車が他のメーカーの車に比べて安全だとした場合、もしかするとメーカーの姿勢とか以外にも理由があるのではないかと想像をめぐらせて見ました。




ひとつは例のあれなので後で書きます。例のあれは車が好きな人ならたぶん知っている例のあれな特徴です。


もうひとつは俺も自分で買うときに友だちに言われなければ気づかなかった特徴です。
スバルの車ってピラードハードトップばっかりなんですよ。
ピラードハードトップと言っても今はこんな言葉あんまりつかわないからわからない人も多いと思いますが、直訳すると柱がついている硬い屋根がついたオープンカーというわけのわからないしろものです。
もともと前席と後席の間に柱をつけないで、窓ガラスを全開にするとオープンカーのような爽快感が得られるっていうのがハードトップらしかったのですが、前席と後席の間に柱をつけて、つまりは普通のセダンみたいにして、それでもセダンよりは開放感があるのがピラードハードトップ。バブルの頃に流行った仕様です。
具体的に何が違うかというと、窓ガラスに枠がついていません。窓ガラスを下ろした状態でドアを開けるとドアの上半分にはなにもない。
レガシィインプレッサならわかるんだけれどSUVであるフォレスターでもそのデザインです。
ピラードハードトップが安全に寄与しているかというと実は逆で、窓枠が無い分強度が確保しづらい、とその時には聞きました。そして、その窓枠が無いために損なわれた強度を補うためにボディを頑強に作っているとも……
確かにドアを開け閉めするとき、10年おちで一昔前ならポンコツと言ってもいいはずの私の車でも、なんといったらいいんだろうなぁ。バタンとかカコンとかじゃなくてドグッみたいなきっちり閉まる音がして気持ちいいです。もちろん残念なところもあって、ボディと窓ガラスの隙間はゴムなので水漏れはしないけれど雨がにじんでたりとかあります。
それはともかくとして、扉が比較的弱い構造だからピラーを強くし、そして扉自体も強く作っている、逆に言うと強く作らざるを得ないのかもしれません。そのことが結果的には頑丈な生存空間を生み出すことに寄与していて、そのベースがあったから他のメーカーよりも一歩先へ進歩しているということは考えられます。


後回しにしていたもうひとつ。これはもうねぇ。
フロントオーバーハングに縦置きした水平対抗エンジンの出力を後ろに取り出して、トランスミッションをかませて前に引き出し前輪を駆動するFFベースのシステムが衝突時の安全には寄与していると思っています。
前方から衝突したときエンジンが客席に突き抜けて乗員が致命傷を負うケースというのが一時期話題になり、その後エンジンを下方に動かして生存空間を確保するという設計に変わりましたが、水平対抗エンジンは直列エンジンに比べてどう考えてもその実装が楽。エンジンブロックの高さが低い。しかもだ。フロントオーバーハングにあるエンジンを下に落とすと必然的に前輪のドライブシャフトやサスペンションにダメージを与え、四輪駆動だったらプロペラシャフトに衝撃が伝わり後輪のドライブシャフトやサスペンションも無傷ではいられないという。
本来衝撃吸収性能には寄与しないはずの駆動系でも衝撃を吸収しているんじゃないかなと想像しています。ダメージを与えるということは衝撃をそこにも伝えているということですから。
スバルのこのレイアウトは見ていてもきれいで大好きなんですが、車の終焉を看取るときにももう一仕事してくれているのかもしれません。




というのはあくまでも妄想です。裏づけがある話ではありません。メーカーさんに知り合いがいるわけでもなく、実際に事故車を詳細に調査したわけでもありません。
だから、今の、少なくとも今の日本車は必要十分な安全性が確保されていて、どのメーカーのどの車を買っても乗員の命は十分に守られていると確信しています。


だから、どの車を買ってもいい。好きな車を買えばいい。
もし今の車が壊れて新しい車を買うことになったら……、久しぶりに自動車雑誌でも眺めてああでもないこうでもないと悩んで予算の許す範囲で買うんだろうなと思います。


たぶん、スバルの車を……。予算が許せば……。


なぜかって?それは冒頭でリンクしたサイトに書いてあります。
どの車も十分に安全であることはわかっています。しかし、自分の命を守ってくれたことがあるメーカーの車を真っ先に選ぶのは当たり前のことなんです。一度経験すれば多くの人がそういう気持ちになると思います。